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LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第2戦富士 決勝レポート

2017年05月05日 00:22  AUTOSPORT web

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ZENT CERUMO LC500
2017 AUTOBACS SUPER GT Report
FUJI GT500km RACE
第2戦 富士スピードウェイ

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明

◆5月4日(木) RACE
決勝結果 優勝

<決勝>天候:晴れ コース状況:ドライ

 立川祐路のポールポジション記録更新に沸いた予選日から一夜明け、SUPER GT第2戦は富士スピードウェイで決勝日を迎えた。この日はSUPER GTに名称が変更されてから、日本国内でのレースでは最多となる5万8000人の観衆がサーキットを訪れ、午前9時30分から行われたピットウォークでは、たくさんのファンがLEXUS TEAM ZENT CERUMOのピットを訪れた。

 午後0時10分からの選手紹介では、ポールポジションドライバーとして最後にメインストレート上に登場し、スタンドを埋めたレクサス応援団の声援に応えた立川と石浦宏明。その間にもチームは長丁場のレースに備え準備を進め、午後0時35分からのウォームアップ走行でフィーリングを確認。いよいよ午後2時10分、決勝レースのスタートを迎えた。

 スタートドライバーを務めたのは立川。静岡県県警の白バイ9台、パトカー5台の先導に続いたZENT CERUMO LC500は、続く1周のフォーメーションラップで入念にタイヤを温めると、スタートをしっかりと決めトップで1コーナーに進入する。

 ZENT CERUMO LC500のステアリングを握る立川は、5周目には2番手の#23 GT-Rとの間隔を1.739秒とし、リードを築きにかかる、しかし6周目には2番手に#36 LC500が浮上。同じレクサス同士だけに、なかなかその差は広がっていかない。ただ、立川はうまく前方に出現したGT300クラスのマシンたちをかわしつつ、リードを守っていく。

 今回のレースでは2回のピットインが義務づけられるが、34周を終え立川はピットにZENT CERUMO LC500を向けた。ここでLEXUS TEAM ZENT CERUMOは50秒のピット作業時間で石浦を送り出す。前周にピット作業を行っていた#36 LC500は52秒を要していたこともありトップは守れそうだったが、ピットアウト後、タイヤが冷えている状態でのアウトラップが勝負の要。石浦はしっかりとタイヤに熱を入れペースを上げ、トップを守ることに成功した。

 1回目のピット作業終了後、2番手に浮上してきたのは#1 LC500。ただ石浦の方がペースは勝っており、逆に#1 LC500は2番手争いを演じていくことになる。その間石浦は、40周目には6秒、50周目には10秒とその差を広げていった。

 石浦は74周をきっちりと走りきり、ZENT CERUMO LC500をピットに戻す。ふたたびステアリングを任された立川は48.6秒の静止時間でピットアウトすると、2番手に浮上してきた#6 LC500との差が10秒以上あることを確認。トップを守るべくZENT CERUMO LC500を労ることに切り替えた。高いペースは保ちながらも、無用なトラブルを避ける作戦だ。

 終盤、2番手の#6 LC500が若干その差を詰めてきたが、立川のコントロール範囲内。最後までZENT CERUMO LC500は抜群のフィーリングを保ったまま、110周の長丁場を走りきりトップでチェッカー! LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって、立川と石浦にとって、そしてレクサスにとって宿願だったホームコースである富士スピードウェイでの勝利をふたたび掴み取った。

 これで立川は、GT500クラスの通算最多勝タイとなる18勝目をマーク。記念すべき勝利をホームの富士で飾った。また、この日はGT300クラスで、スーパーフォーミュラでタッグを組むINGINGが走らせる#51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3が優勝。LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては、二重の喜びとなった。

 次戦の舞台は、5月20~21日に開催されるオートポリスでのレース。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはタイヤテストですでに走行しており、優位な立場にある。とは言えこの富士での勝利は、さらなる悲願であるチャンピオン奪回に向けた第一歩。チームは浮かれることなく、次戦も上位フィニッシュを狙っていく。

ドライバー/立川祐路
「この富士で速い、強いクルマを作ってくれたTRD、そして今週末クルマを完璧に仕上げてくれ、トラブルやピット作業のミスなくこなしてくれたチームに感謝しています。スタートでは、できるだけリードを築きたい思いもあったのですが、まわりのレクサス勢とも僅差で、大変なレースでした。周回遅れが出てからはうまく処理していくことに専念して石浦選手に交代しましたが、石浦選手もがんばってくれて、10秒以上のマージンを築いてくれました。最後のスティントは確実にゴールに運ぶだけでしたね。嬉しいです」

ドライバー/石浦宏明
「スタート直後、立川選手が走っているタイムを見ていながら、『そう簡単には勝つことはできないな』と思っていました。ポイントになるのは第2スティントを担当する自分のアウトラップだと思っていたので、ウォームアップ走行のときからコールドタイヤで練習させてもらいましたし、その成果もあって納得いくアウトラップができました。そこからは落ち着いて、立川選手になるべくリードを築いて渡したいという気持ちで自分の走りに集中していました。今回、期待していただいていたのは感じていたので、前戦失敗した部分を今回に繋げ、意気込みを結果に繋げられたのが嬉しいです。開発をしてくれた立川選手、チームのおかげだと思います」

浜島裕英監督
「今日はドライバーふたりがしっかりと走ってくれて、ピット作業もきっちりできたレースでしたね。もちろんいいクルマであることが基本の条件でしたが、レクサス勢のなかでも接戦だったので、これからも油断しないようにやっていかなければなりません。前戦は数秒のところでチャンスを逃しましたが、今回優勝を飾ったことで、みんながきっちり仕事をすればいい結果を残すことができるという力を証明できたのだと思います」