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ZENTがポール・トゥ・ウイン。レクサス表彰台独占で4年ぶりの富士勝利:スーパーGT第2戦

2017年05月04日 17:42  AUTOSPORT web

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ライバルを寄せ付けず、終始レースをリードして富士で4年ぶりの勝利を飾ったZENT CERUMO LC500
初夏を迎える5月らしい快晴のなか、いつもより長い500km/110周で行われるゴールデンウイークの恒例レース、スーパーGT第2戦富士がで行われ、GT500クラスはZENT CERUMO LC500がポール・トゥ・ウイン。4年ぶりに富士スピードウェイでの勝利を手にした。

 前日の予選日には東名高速で東京料金所から秦野中井近くまで40km以上、決勝日も30km以上の渋滞が起きたという混雑のなか、スーパーGT第2戦富士には多くの観客が訪れた。最終的な入場者数は決勝日で5万8000人。予選日の3万4100人と合わせて9万2100人はスーパーGTとなってから過去最高の入場者数となる。

 決勝は定刻の14時10分からスタート進行が行われる。文字どおり人の海となったグリッドウォークを経て、サーキット実況のピエール北川氏の「Are you ready!?」の声が高らかに響き渡る中、エンジンがスタートし、パレードラップが始まった。

 白バイ9台、パトカー5台に引率されたパレードラップでは2番グリッドのMOTUL AUTECH GT-R、ロニー・クインタレッリが左右にタイヤを振ってタイヤをウォーミングアップする姿が目立つ。そして、フォーメイションラップを経てローリングスタート。

 スタートでは大きな波乱はなく、グリッド順に1コーナーへ。その後のオープニングラップでは4番グリッドのau TOM’S LC500がWAKO'S 4CR LC500を抜いて3番手に浮上。翌周にはDENSO KOBELCO SARD LC500もWAKO'Sをパスし、ペースの上がらないWAKO'Sは5番手に後退してしまう。

 3周目のストレートではRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴がイン側からARTA NSX-GTとWedsSport ADVAN LC500を一気に抜き去り9番手から7番手にアップ。6周目のストレートでは3番手のauジェームス・ロシターがMOTUL GT-Rの背後に入り、スリップに入る。

 1コーナーでは順位を守ったMOTUL GT-Rだったが、続くコカ・コーラコーナーではauの先行を許してしまう。さらにMOTUL GT-Rは翌周のストレートでDENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンにもストレートでかわされ、4番手に後退。

 ストレート速度で厳しいMOTUL GT-Rは後続のレクサス陣営に次々と襲われる展開になる。その中でステアリングを握るロニー・クインタレッリは周回遅れとなったGT300をうまく使い、ストレートで1コーナーを死守する。その後ろで詰まったWAKO'Sはダンロップコーナーの立ち上がりでKeePer TOM'S LC500に5番手の順位を奪われてしまう。

 上位3台レクサス、そしてMOTUL GT-Rを挟んでまたレクサス2台となったトップ6で序盤は周回。その後方の9番手以下ではNSXとGT-Rがテール・トゥ・ノーズで順位を争う。

 トップのZENT立川祐路は1分31秒中盤のラップタイムで順調に周回を重ね、約2秒離れて2番手にau、そこから約3秒差でDENSOトップ3。すると、19周目にはMOTUL MUGEN NSX-GTがピットイン。トラブルが発生してしまったようで、給油作業を行うも、そのままガレージへマシンを入れてしまうことに。

 20周目、5番手KeePerと6番手WAKO'Sが争い、WAKO'Sの大嶋和也が前に。25周目にはS Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代勝正が1コーナーで黄旗中にカルソニック IMPUL GT-Rを追い越したことがペナルティとなり、ドライブスルーペナルティを受けることになる。

 27周目にはKEIHIN NSX-GTがピットイン。塚越広大から小暮卓史に乗り変わる。均等割りなら35周目前後となるが、ホンダ陣営は早めのピット作戦を選択した模様。28周目にはARTAがピットインし、野尻智紀から小林崇史にステアリングを交代している。

 また、翌29周目にはレクサス陣営の戦陣を切って10番手走行中のWedsSport ADVAN LC500がピットイン。関口雄飛からGT500デビュー戦となる山下健太に乗り替わっている。

 30周目には11番手のEpson NSX-GTの左リヤタイヤがバーストしてスローダウン。その間の31周目にはトップのZENTとauが0.6秒差に接近。だが、オーバーテイクには至らず、auはZENTより先となる34周目にピットイン。ロシターから、中嶋一貴の代わりとして参戦している伊藤大輔に乗り替わる。モニター上のストップ時間は52秒2。

 そのauの動きを見て、トップのZENTと2番手走行中のDENSOが同時にピットイン。2台はピット作業バトルとなるも、順位は変わらず。アウトラップでもZENTがトップをキープすると、DENSOがauの前で復帰して2番手に浮上。

 その後方ではauの伊藤とMOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリがバトル。クインタレッリはそのまま37周目にピットに入り、松田次生にチェンジする。だが、次生はauの前の3番手で1コーナーに先に入るも、タイヤの温まっていない状態では為す術なく後方のauに順位を奪われてしまう。

 その後は各車順調に周回を重ねる展開へ。しかし、46周目にはカルソニックにトラブル発生。マシンがピットインするも、そのままガレージへ。ドライバーはクルマを降り、メカニックがトラブルの修復に取りかかる。

 47周目には2番手のDENSO平手晃平と3番手au伊藤の差が約1秒となり、接近戦に。auは何度もDENSOのスリップに入るが、平手がインを死守して伊藤を前に行かせない。約5周に渡ったバトルは52周目の最終コーナーで意外な結末に。レクサスコーナーの立ち上がりでGT300を外から平手、インから伊藤が抜いた直後、2台が最終コーナーで接触。平手のDENSOはスピンし、その横を伊藤のauが抜けて行き、2番手が入れ替わる。平手はすぐにコースに復帰し、3番手をキープ。

 平手のDENSOはauとの接触前にもGT300マシンと接触してフロントグリル周りのパーツを破損しており、その影響からかペースが上がらない。すぐに後続のWAKO'Sにも追いつかれ、オーバーテイクを許してしまう。同じタイミングでMOTUL GT-Rの次生がKeePer平川亮に1コーナーで順位を奪われ5番手が交代。上位陣の各所でバトルが行われる。

■終盤戦には連続ペナルティが出され・・・

 レース周回数の半分、55周を終えた時点で、トップはZENTで変わらず、2番手からau、WAKO'S、DENSO、そしてKeePerと5台のレクサスLC500が上位を独占し、6番手にMOTUL GT-R、7番手にホンダ最上位のRAYBRIGが続く。

 60周目、先ほどのau伊藤大輔とDENSO平手の接触が、伊藤のペナルティと判定され、auはドライブスルーペナルティ。2番手から8番手まで順位を下げてしまう。

 69周目にはARTA、KEIHINがルーティンの2回目のピットイン。ここから2度目のピットタイミングとなり、翌70周目にはWedsSportがピットへ。

 71周目にはMOTUL GT-Rの次生が4番手のDENSO平川の背後に付く。セクター3の上りで間隔を詰める次生だが、ストレートでは平川にスリップに入ることができず並び掛かることができない。

 72周目にはauがルーティンの2回目のピットイン。伊藤からロシターにチェンジ。MOTUL GT-Rと4番手を争っていたDENSOも73周目にピットへ。WAKO'S、KeePer、RAYBRIGもピットイン。

 75周目にはトップのZENTが10秒以上のマージンを持ったままピットイン。若干、石浦がクルマを降りるのに手こずった様だが、モニター上で48秒6の素早いピットワークで立川に乗り替わり、ZENTは難なくコースに復帰。

 続々と2回目のピットに入るマシンが続く中、76周目にはMOTUL GT-Rがピットインし、アウトラップで4番手のDENSOとバトル。丸々1周に渡ってバトルを続け、最終コーナーからストレートでは周回遅れのWedsSport関口雄飛も加わってストレート上で3ワイドバトルに。一番外のWedsSportは1コーナーでややオーバーランし、最内を付いたDENSOコバライネンが前に。

 しかし、MOTUL GT-Rのクインタレッリはタイヤが温まり始めると、DENSOに再び接近して、バトル再開。80周目の1コーナーでは逆にDENSOを抜き返し、4番手に順位を上げた。DENSOのコバライネンはフロント周りの破損で手負いの状態が響いたか、その後はMOTUL GT-Rに付いていくだけの展開となった。

 97周目にはMOTUL GT-Rを追っていたDENSOのコバライネンがレクサスコーナーでスピン。5番手をauに奪われ、その後も100Rでコースオフをしてしまい、RAYBRIGにもかわされ7番手に後退した。その後、残り10周を切ったダンロップコーナーでGT300マシンのリヤタイヤが外れるというアクシデントも起きたが、GT500への影響はなし。

 レース終盤にはフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-RのJ-P.デ・オリベイラが青旗無視でドライブスルーペナルティを受け、ピットレーンに入ったが、その際に速度違反を犯してしまい、再びドライブスルーペナルティを受けることとなった。

 その後はGT500の上位では順位の変動はなく、トップのZENT立川はややペースを落とすも、2番手WAKO'Sとの差をコントロールするような動きを見せ、手堅く6~7秒差をキープ。そのまま危なげなく110周を走り切ってトップチェッカーを受け、レクサス陣営に2013年以来となるホームコース富士での勝利をもたらした。

 2位はWAKO'Sで開幕戦に続く連続2位表彰台を獲得。3位に開幕戦優勝のKeePerが入り、ランキングトップを守り、レクサスが表彰台を独占する結果となった。

 レクサスが強さを見せた第2戦だったが、4位に入ったMOTUL GT-Rは、これまでの不振を考えると大健闘と言えるリザルト。レースでも随所に存在感を見せ、トップ6の中でレクサスが5台占める中で、一矢報いた形となった。