F1シーズンを転戦していると普段見かけない人との出会いがある。そんな人に、「あなたは何しに、レースに来たのか?」を尋ねてみる特別企画。今回は、元F1ドライバーのミカ・サロだ。
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マックス・フェルスタッペンの父親であるヨス・フェルスタッペンと一緒に写真に収まっている、FIAのシャツを着てサングラスをかけたこの方は、90年代から2000年代前半にかけてF1ドライバーだったミカ・サロである。かつて全日本F3000も走り、妻は日本人の遠藤賀子さん(現在はノリコ・サロさん)ということもあり、日本にもなじみが深い。
いったい、何をしにロシアGPに来ていたのか。FIAのシャツを着ていることからもわかるように、「スチュワード(レース審議委員)として、FIAに呼ばれた」(サロ)からである。
では、そのスチュワードがなぜ、ヨス・フェルスタッペンと仲良く写真に収まっているのか。それはこの2人は1997年にティレルでチームメイトだったからだ。
チームメイトだったのはこの1年だけだったが、時期は違うがアロウズにも2人は所属したことがあり、話が合うのである。
さらにもうひとつ、サロがフェルスタッペンに会いに来たのには理由があった。それはサロにも「マックス」という名前の息子がいて、以前からパドックで会えば、子育て談義を繰り返していたからだ。
「ウチのマックスはいま15歳なんだけど、もう自動車を運転しているんだ。フィンランドではモペットカーという市販車よりも2まわりぐらい小さな自動車があって、15歳から運転できるんだ」と親バカぶりを披露するサロ。
だが、レースの話になると「ヨスのところのマックスとは違って、もうレースはしていない。コンピュータをいじっているよ」と少し寂しそう。サロにはもう一人娘さんがいるが、彼女もダンスをやっていてレーサーには興味はないという。「まあ、家族がみんな元気で仲良くやっていれば、それでいいんだけどね」
別の日に、パドックを歩いていたら、またも2人で立ち話しているほど仲のいい2人。遠くで密談しているレッドブルとルノーの関係者の写真を撮っていたら、このようにいたずらをするあたりは、現役時代と変わりはない。
そんなサロがこのロシアGPに来た最大の収穫はなんといっても、ボッタスの初優勝を見たことは間違いない。