2017年のスーパーGT300クラスで、話題のチームのひとつと言えるD'station Racing。参戦に向けて、かつてプロ野球横浜ベイスターズやメジャーリーグのシアトル・マリナーズで活躍した佐々木主浩総監督が就任したが、そんな佐々木総監督に、スーパーGT第2戦が開催されている富士スピードウェイで、サーキット“復帰”の感想を聞いた。
希代のクローザーとして日米球界で数多くの偉業を達成し、“大魔神”の異名をとった佐々木総監督。もともとクルマ好きとしても知られ、2002~03年には自身の背番号を冠した『TEAM 22』でフォーミュラ・ニッポンにも参戦した。
今季は14年ぶりにモータースポーツの世界に参画することになったが、ひさびさのサーキットについて聞くと「やっぱりいいですね。気持ちいい。サーキットは山間にあるので、空気も気持ちいいですしね」と笑顔で語ってくれた。
「(TEAM 22のドライバーだった)脇阪寿一君とか、伊藤大輔君とか、サーキットではなかなか会えなくて、今回もまだ会えていないんですよね。でも中嶋悟さんや片山右京さんとかは昔から知り合いなので、ひさびさに『戻ってきたな』という感覚が強いですね」
D'station Racingは今季、ポルシェ911 GT3 Rを使ってスーパーGTとスーパー耐久、さらにポルシェ911 GT3 Cupでポルシェカレラカップ・ジャパンにも参戦。佐々木総監督はそのすべてで指揮を執るが、「僕も昔からポルシェに乗っていたので、大好きなんですよ」という。
「特に僕たちはクルマと言えば『サーキットの狼』で育っていますから。ポルシェは別格なんですよね」
D'station Racingはこれまで期待の高さに対して、なかなか思うような結果が残せていないが「まずは1勝して欲しいです。特に今回(スーパーGT第2戦富士)は気合いが入っていますね」と語る。
「前のフォーミュラ・ニッポンの時はまだ現役だったので、なかなかサーキットにしっかり来ることはできませんでしたが、今は集中できるので、今回は本腰を入れてやっています。だからすごく楽しみです」
そんな佐々木総監督の気合に応えるかのように、D'station Porscheは5月3日の公式予選で3番手タイムをマークしたものの、スヴェン・ミューラーのアタックの四輪脱輪でペナルティをとられてしまい、14番手からスタートを切ることになった。ただ、この富士ではポルシェは好調で、追い上げも可能だ。
「野球もそうですが、モータースポーツも現地で見るのはやっぱり迫力が違うと思うんです。皆さんもぜひサーキットに足を運んで欲しいですね」と佐々木総監督は、子どものような笑顔でファンにメッセージをくれた。
2017年3月には、馬主を務めるヴィブロスがドバイターフで優勝を飾り、持ち前の“勝ち運”を見せてくれた佐々木総監督。D'station Porscheにも勝ちをもたらすことができるのか、大いに注目だろう。