2017年、モトパークからFIAヨーロピアンF3選手権へ参戦している佐藤万璃音。4月28~30日に行われたモンツァ大会では、決勝3レース中の最上位はレース2の11位と苦しい戦いを強いられた。
万璃音は予選前に行われた練習走行2回目で、燃圧トラブルを抱えながらもトップと0.498秒差の9番手につけるなど上々の滑り出しをみせた。
しかし、予選1回目はセッション中の赤旗によってタイムアタックを断念せざるを得ず、12番手に終わってしまう。
翌日に行われた決勝レース1、万璃音はスタートでエンジンをストールさせて最後尾に後退。粘りの走りで追い上げたものの、13位でレースを終えた。
レース1後に行われた予選2回目は波乱の多いセッションとなった。
セッション中、コース外を走行してベストタイムが抹消されるドライバーが続出。加えて、マーシャリング・システムの誤作動で、万璃音を含む複数のマシンで赤旗掲示の警告灯が灯ってしまうトラブルもあり、万璃音はレース2を13番手、レース3を14番手からスタートすることに。
迎えた決勝レース2、万璃音はオープニングラップの混乱に飲まれて最後尾に後退。そこからは前走車を確実に仕留めて入賞目前の11位に。最終決勝レース3は、6番手を争う集団のなかで入賞争いを演じたが、12位に終わった。
■「チームメイトともども、無茶な走りの犠牲に」
「予選1回目のシングル・グリッド獲得は固かったので残念です」と万璃音。
「赤旗のあとはコースインの際にチームメイトのジョエル(・エリクソン)の後ろに付きましたが、(ペードロ・)ピケがジョエルの後ろにつこうと無理に下がってきて邪魔されました。あとコンマ3~4秒を削れるだけのポテンシャルはありました」
「決勝レース1は入賞を目の前にしながら、予選1回目と同じくピケに邪魔されました。彼を抜きに行った第2シケインでは幅寄せにより2回もコースアウトさせられ、僕のチームメイトも彼の無茶な走りの犠牲になりました」
「ペースは悪くなかったし、僕より後ろからスタートしたドライバーがトップ10入りしているくらいなので、やはりスタートのエンジンストールが悔やまれます」
「決勝レース2も3もクルマの調子はすごくよかったし、僕自身のドライビングも悪くなかったし、ペースもよかったと思います。でも、何回抜きに行ってもライバルから強烈な幅寄せやブロックをされると、どうやってぶつかったり空を飛ばないように走るかしか考えられませんでした」
「激しいレースは僕も望むところですが、危険走行でペナルティを科されるライバルも多く、さすがにいい気分ではありません。入賞もF3ルーキー表彰台も目の前だっただけに、悔しくて悔しくて仕方ありません」
万璃音が挑むFIAヨーロピアンF3選手権第3大会は、5月19~21日にフランス・ポー市街地コースで行われる。