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LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第2戦富士 予選レポート

2017年05月03日 22:33  AUTOSPORT web

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ZENT CERUMO LC500
2017 AUTOBACS SUPER GT Report
FUJI GT500km RACE
第2戦 富士スピードウェイ

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明

◆5月3日(水) QUALIFY
公式予選総合結果 1位(1分27秒825)

<公式予選>天候:曇り コース状況:ドライ

 勝てるポテンシャルを示しながら、表彰台を逃す悔しい開幕戦となった第1戦岡山を終え、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは問題点を洗い出し、オートポリスで行われたタイヤメーカーテストに参加。ZENT CERUMO LC500のさらなる速さを引き出しながら、ゴールデンウイークの一戦として多くの観衆を集める第2戦富士に臨んだ。

 LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとってこの富士はホームコースであり、何よりレクサス陣営にとってもホームコース。ただ、2014年から富士ではレクサス陣営の勝利はなく、“富士マイスター”と称された立川祐路にとっても、富士で育ってきた石浦宏明にとっても悔しい思いがあった。マシンも新たにレクサスLC500となった今季の富士で、狙うは優勝のみだ。

 迎えた5月3日(水)の予選日。朝は富士山も顔を出し、多くのファンがスタンドを埋めるなか、午前9時から1時間45分の公式練習がスタートした。このセッションでは、立川が18周を担当し、1分29秒204というベストタイムを7周目にマーク。ただその時点でのZENT CERUMO LC500のフィーリングはあまり良好ではなかった。

 立川からステアリングを引き継いだ石浦は、ZENT CERUMO LC500のセットアップを進め、好感触を得る。この公式練習では最後の10分間でGT500クラスの専有走行があるが、チームはもともと、この時間を使ってふたたび立川に交代し、アタックのシミュレーションをするべく予定していた。

 しかし、公式練習開始から1時間09分というところで、GT300クラスの#360 GT-Rがメインストレートでクラッシュを喫してしまい、赤旗中断となってしまう。大きなクラッシュだったこともあり中断時間も長く、当初立川が行う予定だったアタックのシミュレーションをする時間がなくなってしまった。

 ただ、立川は公式練習終了後に行われたサーキットサファリの時間を使ってふたたびZENT CERUMO LC500のステアリングを握ると、良好なフィーリングを感じ取った。最終的に公式練習では、石浦が16周をこなしたうちの15周目にマークした1分28秒691がベストタイムとなり、GT500クラスの最速に。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはポールポジション獲得に向けた手ごたえを感じ取った。

 迎えた午後2時55分からのGT500クラスの予選Q1。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、石浦にステアリングを託し、残り9分を切ってコースインする。入念にタイヤに熱を入れた石浦は、まずは残り1分となったところで、1分28秒539という公式練習を上回るタイムをマークしていく。

 さらにZENT CERUMO LC500に鞭を入れた石浦は、チェッカーフラッグが提示された翌周には、1分28秒089をマーク。その時点で首位に躍り出た。しかし、その直後#36 LC500が0.033秒差で石浦のタイムをかわしトップへ。ZENT CERUMO LC500は惜しくも2番手となったが、それでもQ1突破には充分。Q2の立川にバトンを繋いだ。

 公式練習ではアタックのシミュレーションができていなかった立川だが、午後3時45分からのQ2で、訪れたファンを驚かせた。しっかりとウォームアップをこなした立川は、5周目に1分28秒101という素晴らしいタイムをマーク。これで首位に躍り出ると、さらに翌周には1分27秒825と、ただひとり1分27秒台に入れる会心のタイムをマークしてみせたのだ。

 この立川のタイムを破るライバルは最後まで現れず、立川は自身がもつポールポジション獲得記録を『22』に伸ばしてみせた。“富士マイスター”がその称号にふさわしい走りで、ZENT CERUMO LC500は第2戦富士を先頭からスタートすることになった。

 もちろん、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって狙うは明日5月4日の決勝レースで、表彰台の頂点に立つことだ。チームはしっかりと準備を整え、500kmのレースに臨んでいく。

ドライバー/立川祐路
「こうして富士でポールポジションを獲得できるクルマを作ってくれた開発陣に感謝しています。そして、それをきっちりポールを獲れるクルマに仕上げてくれたチームと石浦選手にも感謝しています。午前中は公式練習の前半に少し乗って、その後は石浦選手に担当してもらったのですが、そこでクルマを仕上げてくれたので、僕が最初に乗った段階よりもフィーリングが良くなっていました。朝のフィーリングでは予選でポールを獲れる自信はなかったのですが、みんながクルマを仕上げてくれたおかげだと思います。レクサス陣営は3年間富士では勝てていないですし、ホームコースという思いもあるので、ポールポジションを獲れたことは大きいし、一歩目標に近づいたと思います。明日はまだ500kmのレースですし、きっちりチームと話をして、万全の体制で富士での勝利を自分たちが獲りたいと思います」

ドライバー/石浦宏明
「今回、周囲から“本命”と言われていたのでプレッシャーにはなっていましたが、こうしてポールポジションを獲得できて嬉しいです。午前の公式練習は細かなトラブルもあり、赤旗もあって時間も少なくなったこともあり、本当は立川選手が専有走行の時間にニュータイヤでアタックする予定だったのが、できなくなったりしていました。立川選手が大変ななかで、1分27秒台というタイムを出したのは驚いています。クルマのフィーリングはすごく良かったですし、ポールポジションを獲得できたのはチームのおかげだと思いますし、立川選手のおかげだと思っています。レース距離は長く、ピットストップも多いので、自分たちのなかでしっかりとやれることをやって、優勝できればと思っています」

浜島裕英監督
「午前はフィーリングが良くなかった部分をエンジニアとドライバーがしっかり話し合って解決してくれたことが、いい結果に繋がったと思います。そして立川選手も石浦選手もいい走りをしてくれたことが、ポールポジションという結果となりました。明日は決勝レースへのセットアップがうまくいき、ピットがしっかりと準備をすれば、あとはドライバーふたりに任せておけば自ずといい結果になると思っています」