現在、唯一のロシア人ドライバーであるダニール・クビアトが、母国グランプリとなったロシアGPに自叙伝「Квят」を出版した。「Квят」はクビアトのロシア語表記で、名前の通り自身のレース人生を綴っている。
著者はロシア人ジャーナリストのオレグ・カルポフ(TOP写真の右側)で、こちらも現在F1を取材している中でただひとりのロシア人ジャーナリストだ。
カルポフによれば、「この本はクビアトがどのようにしてF1ドライバーまで登りつめたのかという内容で、ほとんどがカート時代やジュニアフォーミュラのついて書かれている」という。
したがって、昨年のロシアGP後のフェルスタッペンとの交代劇などのF1に関する裏話はいっさいない。
「むしろ、モータースポーツがいまポピュラーではないロシアで、これからモータースポーツを始めたいという子供たちに読んでもらうような内容になっている」(カルポフ)という。
グランプリ開幕直前には、オリンピックパーク内のレストランで出版記念パーティが開かれた。パーティにはクビアトが所属するトロロッソの関係者の出席。
さらに交際しているネルソン・ピケの娘も訪れ、クビアトとアツアツぶりを披露していた。ちなみにロシアGPにはクビアトの家族も来ており、親公認の仲である。
この「Квят」は、クビアトにとっても初の単行本で、カルポフにとっても処女作。つまり、ロシアで初のF1ドライバー本となった。
クビアトは「僕は英語とイタリア語もできるので、今後英語版やイタリア語版が出版されるといいね」と笑っていたが、現時点で英語、イタリア語に翻訳されるという話はない。
むしろクビアトにとっては、本の売れ行きより来年の自分のシートを心配したほうがいいだろう。現時点で2点は得点を挙げているドライバーの中で最下位。
レッドブル育成ドライバーで昨年のGP2王者で現在、日本のスーバーフォーミュラに参戦しているガスリーの活躍次第で、クビアトのレース人生は再び転機を迎えるかもしれない。