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イギリス重大不正監視局、F1所有者とFIA間の金銭授受を調査。議会が不正を疑う

2017年05月03日 12:13  AUTOSPORT web

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F1イギリスGP シルバーストン
イギリスの重大不正監視局(SFO)は、2013年にF1の商業権保有者とFIAの間で合意された金銭的取り引きについて詳細な調査を行うことを検討していると認めた。

 イギリス下院議員のダミアン・コリンズは、FIAに対して行われた支払いが違法ではなかったか調査を求める書簡をSFOに送った。

 FIAは、2013年に合意された二者間協定であるコンコルド協定の一部として、合計5万ドル(約5億5700万円)と株式1パーセントを受け取ったことを確認している。
 協定が結ばれた当時、F1の商業権はCVCキャピタルパートナーズが保有していた。

 イギリスの文化・メディア・スポーツ委員会の議長を務めるコリンズは、なぜこの支払いがなされなければならなかったのか、疑問であるとして、SFOに対し、この件が英国賄賂防止法に違反していないか調査を求める書簡を送った。

 SFOは先週、BBCに対し、より詳細な調査を開始するための根拠があるかどうか判断するため細部を検討中であることを認めた。

「重大不正監視局は、これらの申し立てについて、局で保有している資料の見直しを行っている」とSFOは述べた。

「SFOに照会されたすべての件は、調査の対象になるかどうか基準に基づいてふるいにかけられる」

 しかしF1経営陣は、この金銭的な取り引きは、F1運営団体がその役割を継続的に果たすのに必要な安定性を確保するためのものであり、不正行為はなんら行われていなかったと主張している。

 現在F1の商業権を保有しているフォーミュラ・ワン・グループは声明で次のように述べた。

「株式を含めて引き合いに出された金額は、FIAが長期的に運営役としての機能を継続し果たせるよう、交渉に基づいて決められたものだ。その機能とはチーム、ドライバー、パートナー、そしてF1商業権保有者自身からなる関係者全員の利益のために安全性と信頼性をもたらすことだ」

 FIAは次のように付け加えた。「コンコルド履行協定は商業権保有者のF1とFIAが2013年に締結したもので、これにより新しいF1運営体制が導入され、特にFIAが運営役として適切な報酬が受けられるよう二者間に適用される条件の若干の見直しを行った」

「この協定の範囲内で、5万ドル(390万ポンド)が一括でFIAに対して支払われた。これは商業権保有者とFIAとの協定および当時のコンコルド協定の条件について行われた再交渉に関連する、全体的な報酬の一部として受け取られた」

「承認の後、コンコルド履行協定が効力を発し、FIAに対して支払いが行われ、それが適切に報告された」
   
「いかなる個人もこの金額以外の支払いを受けてはいない。事実に反する申し立てについては中傷的としか言いようがない」