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F1 Topic:フェラーリ優勢を覆したボッタス、初優勝を可能にした3つの要因

2017年05月03日 12:02  AUTOSPORT web

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F1史上107人目の勝者となったボッタス
F1ロシアGPで初優勝を成し遂げたバルテリ・ボッタス。F1の初優勝は昨年のスペインGPでマックス・フェルスタッペンが達成して以来で、F1史上107人目の勝者となった。 

 しかし、予選まではフェラーリが優勢だった。2008年フランスGP以来のフロントロウを独占したフェラーリを抑え、さらにチームメイトで元チャンピオンのルイス・ハミルトンを寄せ付けない堂々たる勝利。なぜ、ボッタスはロシアGPで優勝することができたのかだろうか。

 メルセデスAMGでチーフレースストラテジストを務めるジェームス・バレスは、勝因は3つあったと分析する。

 ひとつはスタートだ。
「フォーメーションラップで完璧にスタートの準備を整えていた」というボッタス。しかし、セバスチャン・ベッテルのスタートも悪くはなかった。ポールポジションと予選3位のボッタスとの距離は16m。その差を詰めることができたのは、スリップストリームだった。

「今年行われる20戦でフロントロウより2列目のほうがアドバンテージがあるサーキットが2つある。メキシコとここだ。だから、予選で2列目からスタートすることになったバルテリにはしっかりとトウ(スリップストリーム)を使えば、逆転できると伝えていた」

 こうして最初のブレーキングでトップに立ったボッタス。直後にセーフティカーが出動する。
「これがわれわれには幸運だった。なぜなら、この日のソチ・オートドロームは想定よりも4℃気温が高かった。われわれのマシンは第2スティントで履く予定にしていたスーパーソフトが不得手だから、できるだけウルトラソフトで走行している第1スティントを伸ばしたかった。セーフティカーが1周目に入ったおかげで、最も重くタイヤに負荷がかかる状態でタイヤをいたわることができ、結果的にレースの真ん中すぎの27周目まで引っ張ることができたのは大きかった」


 第1スティントで4秒以上の差を広げたことで、フェラーリ側のアンダーカットを阻止。ボッタスがピットインした後にベッテルがステイアウトしていたものの、バレスは「あれはセーフティカーウインドウに入っていたから、(セーフティカーが出て逆転優勝できる)可能性に賭けていただけ」と、落ち着いていた。

 最後の勝因は、ボッタスとソチ・オートドロームの相性の良さだ。というのも、チームメイトのハミルトンはロシアGPの週末を通してマシンのバランスに苦しんでいたからである。なぜ、ボッタスはハミルトンよりも速かったのかについて、次のように説明した。

「今週はバルテリのほうが一貫して速かった。だが、じつはわれわれもそれがどうしてなのかはわからないんだ。ひとつ、言えることは彼はこのトラックと相性がいい。それはデータにも表れている。優勝したから言う訳ではないが、ここに来る前からバルテリが初優勝するとしたら、ここだろうという予測はわれわれの中にあった。そのチャンスをバルテリは一発でつかんだんだ。これで肩の荷が下りただろう」

 だが、バレスは次のスペインGPはハミルトンが逆襲してくるだろうと予測する。
「ソチがバルテリの庭なら、バルセロナとモナコはルイスの庭。バルテリの次のチャンスはそれ以降だろう。おそらくレッドブルリンクは再びバルテリの強さが発揮される可能性が高い」
 
 現在ハミルトンとボッタスのポイント差は10点。メルセデスAMG対フェラーリの対決だけでなく、今年はハミルトン対ボッタスの戦いも注目される。