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憲法施行70年、日弁連会長「安保法制で立憲主義の危機」「平和と自由を守る」

2017年05月03日 10:34  弁護士ドットコム

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日本弁護士連合会の中本和洋会長は5月3日、1947年の日本国憲法の施行から、70年目を迎えたことを受けて、「平和と自由を守るために、たゆまぬ努力を続けることを誓う」とする憲法記念日の談話を発表した。


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中本会長は談話で、日本国憲法の施行からこの間、「確実に国民の間に定着し、国民はこの憲法の下で不断の努力によって権利と自由を拡充させ、民主主義社会を実現・発展させるとともに、平和な国家を築き上げてきた」と強調している。


一方で、集団的自衛権の行使を可能とする「安保法制」施行に憲法違反との批判を加えながら、「安保法制の運用が進められ、違憲状態が既成事実にされようとしており、立憲主義の危機ともいえる状況が生じている」と警鐘を鳴らしている。


談話の全文は以下の通り。


●憲法記念日を迎えるに当たっての会長談話

本日、日本国憲法が施行されてから70年目の憲法記念日を迎えた。


日本国憲法は、個人の自由・権利を保障するため憲法により国家権力を制限するという立憲主義を基本理念とし、基本的人権の尊重、恒久平和主義、国民主権を基本原理としている。


この間、日本国憲法は確実に国民の間に定着し、国民はこの憲法の下で不断の努力によって権利と自由を拡充させ、民主主義社会を実現・発展させるとともに、平和な国家を築き上げてきた。


しかしながら、集団的自衛権行使を可能とするなど憲法違反の安保法制が施行されてから1年の間に、安保法制の運用が進められ、違憲状態が既成事実にされようとしており、立憲主義の危機ともいえる状況が生じている。


また、衆議院憲法審査会では、憲法改正に関する審議が行われており、具体的な改憲項目として大規模災害など緊急事態における国会議員の任期延長問題が審議されているなど、今後の議論の状況が注目されるところである。


日本を取り巻く国際環境が変化しつつある今日、改めて、日本国憲法の恒久平和主義の下、70年の間に一度も戦争の惨禍に見舞われることなく、平和国家として歩んできたことを確認するとともに、国際紛争を外交努力で解決することにより平和と自由を守ることが求められている。


当連合会は、日本国憲法施行から70年目の憲法記念日を迎えて、日本国憲法の定める基本原理を尊重し立憲主義を堅持する立場から、日本国憲法の果たしてきた役割と意義を国民と共有するとともに、平和と自由を守るために、たゆまぬ努力を続けることを誓うものである。


2017年(平成29年)5月3日日本弁護士連合会 会長 中本和洋


(弁護士ドットコムニュース)