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D'ERLANGER再結成から10年、今音楽へと向かう原動力を明かす「ただ魂を焦がすしかない」

2017年05月03日 10:03  リアルサウンド

リアルサウンド

D'ERLANGER

 D'ERLANGERが、5月3日に8枚目のアルバム『J'aime La Vie』をリリースする。


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 1983年に結成、1990年1月にメジャーデビューするも同年の11月に解散。それからおよそ16年の月日を挟み、2007年3月にアルバム『LAZZARO』を発表、4月22日に東京・日比谷野外大音楽堂でのライブ『薔薇色の視界』で復活を果たしたD'ERLANGER。今年、再結成から10年が経つことになるが、その間にもコンスタントに作品を発表し、ライブも精力的に行ってきた。


 今回、リアルサウンドでは曲作りの中枢を担うギタリスト、CIPHERにインタビューを行った。前述の復活ライブやそれ以降の作品、そして今作『J'aime La Vie』のテーマや各曲の中に隠された“オマージュ”について、じっくりと語ってもらった。(編集部)


■「10年前の野音が終わったあとは負けた気満々で」


ーーD'ERLANGERは今年の4月22日で日比谷野音での復活ライブから10年が経ちました。もう10年経ったんだという現実に驚くと同時に、この10年本当にコンスタントに活動してきたという事実にも驚かされます。CIPHERさん自身、10年前の時点でここまで途切れずに活動を続けることを考えていましたか?


CIPHER:まず復活をするときは野音のことしか考えてなかったので、野音の次すらも考えてなくて。ただ『LAZZARO』(2007年3月リリースの、復活第1弾アルバム)を作って、それを持って野音のステージで復活するということだけで生きてましたね。でも僕は、野音が終わったあとは負けた気満々で。不満というか、やりきれてない感や悔しさしかなかったです。終わった瞬間は美酒に酔いしれましたけど、あとから自分にガックリという。それはすごく覚えてます。だから次があったんでしょうね。


ーーその“ガックリ”は、自身の中での基準値に達しなかったから?


CIPHER:なんて言うんでしょうね。僕、ギターをガキの頃からやってきて、いつからか事務所で面倒を見てもらうようになりました。それをプロと呼ぶのか、そういうフィールドでいろいろ切磋琢磨しながら何十年も過ごしてきて。それで新たに事務所も立ち上げました。それまではどこかに所属させていただいて、「ギタリストだけでいさせてくれよ」っていう感じだったと思うんですよ、僕のミュージシャンとしての日々は。でも、それじゃあもう無理だなということと直面したのが、D'ERLANGERを再びやろうと踏み出したときだったんです。知恵を授けてくれる方々、バックアップしてくれる方々がいて、そこで学ばせてもらっていたから歩んでいけたのに、急に右も左もわからなくなって。だから余計に野音が終わったあとにダメだったんでしょうね、これでは全然どうしようもなんないなっていう。悩むことと悔しさしかなくて、それに巻きつかれてましたね。


ーーでも、D'ERLANGERはそこからコンスタントにリリースとツアーを重ねていく。この10年でオリジナルアルバム6枚とリテイクアルバム1枚を発表しているんですよ。10年で7枚って、バンドとしてはとても勤勉だなという印象がありますが。


CIPHER:それは周りが出せと言うので(笑)。僕は5年出さなくてもいいと思ってるけど、シリアスな話をすると5年も出さないと食っていけない。だからケツを叩かれながらやってるところもあるのかな。本当は外タレみたいに、アルバムを1枚出したらツアーを2回も3回も行ったらええと思うんですけど、この国ではなかなかそうは問屋が卸さず。でもまぁ、あんまり世間のタイム感は気にしてないですけどね。


ーーそういう感覚なんですね。


CIPHER:そんなもんね、曲なんて簡単に書けませんよ(笑)。これまで何十曲と書いてきましたし、いわゆる方法論はわかってるけど、「俺はこの曲を書くために生まれてきたんちゃうか?」みたいな腹積もりで、身を刻む思いでひとつの曲を産み落としているんです。


ーーそうやって作ってきた楽曲やアルバムからは、毎回やりきった感や充足感は得ていたんでしょうか?


CIPHER:『LAZZARO』で復活して、次の『the price of being a rose is loneliness』(2008年4月発売)を俺、完全に「これでダメなら辞めてやる」ぐらいの気持ちで作ったんですよ。なのに、周りからは「ちょっとマニアックすぎる」とか言われて(苦笑)。もちろん自分の好きにやってますし、周りを気にして曲を作ったことはありませんから、そういう意味では……アルバムごとにやりきった感というのはそんなにないですよね。ないというか……やりきったというと、そこで行き止まりな感じがあるでしょ? それよりは、標高はわからないですけど山をひとつ越えた感じが近いかな。


ーーもちろんそこが最終的なゴールではないですしね。


CIPHER:ですね。だから、ときどき現れる山や壁、これを越えていかなあかんと。どこか回り道をしたって平坦な道が見つかるわけではない、これはもう正面突破いかなあかんねんなって感じですよ。


ーー僕、『LAZZARO』を最初に聴いたときに、復活したD'ERLANGERは当時の日本の音楽シーンよりも、海外の音楽シーンに近い音だなと思ったんです。


CIPHER:あの時期ってどんな音楽が流行ってましたっけ?


ーーMy Chemical Romanceみたいにゴシック調のエモというか、そういったバンドがアメリカでウケていた頃ですね。もちろんあのシーンを意識していたとは思いませんけど、そことの同時代性がすごく感じられて興味深いなと思った記憶があります。


CIPHER:そのへんは俺、全然通ってないし、好きじゃないですから。バンド名ぐらいはわかる程度。日本のV系なんかも全然気にかけてなかった。


ーーで、『LAZZARO』以降どんどん深化していき、ワーナーミュージック・ジャパン移籍第1弾の『#Sixx』(2013年5月発売)以降の作品はどんどん濃くなっている。特に『#Sixx』から今回の最新作『J'aime La Vie』までの3枚に共通しているのが、すごくコンパクトな作風ということなんですよね。


CIPHER:ああ、そうですか(笑)。そうなんですよ。今回は特にでしょ?


ーーはい。通常盤に追加された1曲(「Loveanymore -J'aime La Vie version-」)を除くと、トータル32分程度ですから。


CIPHER:例えばパンクバンドなんてそんなもんでしょ。長ければいいってもんでもないし、「えっ、もう終わり?」と思ったらもう一回聴いてくれたらいいんですよ。


ーーどの曲も2分台から4分台までで、アレンジも非常にタイトですし。


CIPHER:そういう長いのは以前やったので、今はもうええかなと。女を口説くのもそうでしょ? 四の五の言って口説くより、サーっといったほうがシンプルでいいかなって(笑)。また時間が流れれば何を思うのかはわからないですけど、ここ最近は確かにそういうベクトルですね。


ーーそれは今の音楽シーンをそこまで意識していないのもあるんですか?


CIPHER:意識してないですし、意識に入ってきた時点ですべてがムカつくんですよ。ほんま何なの? って。でもね、これでちゃんと数字で結果を叩き出したり、どえらいホールを埋めたりしないことには説得力がないし、ただの負け犬の遠吠えになってしまう。あんまり言うと炎上しますけど、大いに燃えてやろうと(笑)。正直、いまだに怒りというものが原動力のひとつですから。僕は49になりましたけど、それがまだふつふつとあって、自分やD'ERLANGERに向くんですよ。


■「今回自分の根幹にあったのは“死”なんです」


ーーその新作『J'aime La Vie』ですが、繰り返しになりますけど本当にコンパクトで、最初から最後まで一気に聴けてしまうんです。ちなみに曲を作るときに、アルバム全体の流れを考えたりするんですか?


CIPHER:考えてないです。単純にこうなりましたという結果論でしかなくて、アルバムとしての見取り図は毎回ないんです。


ーーこういうコンセプトにしよう、こういう作風にしようという事前の決め事は?


CIPHER:そこまでパキッとしたコンセプト感はないんですけど、自分の中で今熱を持っているものを軸に曲を作って、メンバーにノーインフォメーションで聴いてもらう。聴かせる段階で俺は御託を並べないので、自由に感じてもらって、そこからバンドで形にしていくという方法ですね。


ーーそのときのCIPHERさんのモードであったり、今こういう感じのことをやりたいという思いは、メンバーの皆さんと共有できているんですか?


CIPHER:どうでしょうね。基本的には「勝手に感じてください」なんで。でも、俺は俺で3人のことを見ているし、言葉として交わすときもありますよ。他の3人がどう思っているかは知りませんけど(笑)。


ーーなるほど。ちょっと前作『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』(2015年4月発売)までさかのぼりますが、前作は初めての海外レコーディングというトピックがあったせいか、アルバムを聴いたときにすごく開けたというか、全体的に抜け感を強く感じて。サウンド的にも楽曲的にも、そう感じさせるものが含まれていたと思うんです。


CIPHER:それはロスのせいですよ。


ーーそういう環境が楽曲制作にも影響するものなんですね。


CIPHER:あれもね、アルバムのひとつの大義名分として、デビューシングル「DARLIN'」(1990年1月発売)と次のシングル「LULLABY -1990-」(1990年9月発売)をリテイクするというのがあったので、そこを軸にロスまで録りに行って。で、帰ってきて国内レコーディングが残っているんですけど、その時点では曲が足りてなかったんです。だから、抜け感を強く感じる曲はロスから戻って作ったものですね。「CRAZY4YOU」なんて、あれは完全に日本に戻ってきてから書いた曲です。


ーーすごくわかりやすいですね。


CIPHER:でしょ? もっと前の話ですけど、『D'ERLANGER』(2009年11月発売)の制作時期には初めての海外公演で台湾に行ったんですよ。あのときも曲が揃ってない、「曲書かなレコーディング無理やで」ってタイミングで。でも行きたいですよね、初めて海外でライブができるんだから。だから、あとは野となれ山となれ、行くからには弾けて楽しんで帰ってこようと思って。それで帰国して最初にできたのが「Angelic Poetry」ですからね。


ーーあのアルバムの中でも解放感のある1曲ですよね。


CIPHER:もうひとつ、『#Sixx』に入っている「Dance naked, Under the moonlight.」も、俺がプライベートでバンコクに行って、向こうでひらめいたアイデアが曲になっているので。だから、もっと海外に連れてってくれと(笑)。今まで感じたことのない刺激を受けるわけですからね。でも、今回は海外に行ってないけど、これなんですよ。


ーーそういう海外からの刺激はなかったものの、今作は世の中に溢れている10代20代に向けたロックとは違った、どこかエロくて、曲の中で何かがうごめいているような、大人じゃないと表現できない作品集だと思いましたよ。例えば、70年代のロックが持っていた危うさやヒリヒリ感が味わえるというか。


CIPHER:それは嬉しいたとえですね。最近は、ガキの頃には「まさかそんなことに立ち会う日が来るなんて……」と思ってもみなかった出来事が続いて。一昨年の暮れにMotörheadのレミーが逝ってしまい、そこからデヴィッド・ボウイが逝き、プリンスが逝き、いろんな巨星が次々と逝ってしまったじゃないですか。俺はメディアに出ていって、知ったツラで「この人がいなければ、今の自分はなかったです」みたいに絡む気はないですけど……今回自分の根幹にあったのは“死”なんですね。言えば俺もいつか死ぬわけですし。


ーーなるほど。


CIPHER:もっとカッコ良く言うと、飛距離というよりは濃度、密度ですね。「明日死んでもいいよ」というところの密度のほうが重要なんです。例えば、キース・リチャーズが70を超えた今も現役で、究極の存在として君臨している。まだ“生”として立ちはだかっているわけですよ。そこに対して、数字的にそこまでたどり着く自分は想像できないですけど、そこを目指そうというよりは今現在の密度のほうが大事。その密度というのは一節のメロディや一発のリフに表れるわけで、そこと向き合う俺の気持ちは10年前とはからっきし違うわけです。俺は素敵に枯れたいんですよ。極論ですけど、もう別にメイクしてCIPHERいうて、そういうのはぶっちゃけどうでもいいんです。もちろんこれからもD'ERLANGERのCIPHERとしてやりますけど、そういう思いで作ったことを知ってもらえたらと思います。


ーー今のお話を聞いて、このアルバムタイトル『J'aime La Vie』の意味を考えると、さらに重みが増しますね(※「J'aime la vie」はフランス語で「自分自身を愛している」「我が人生を謳歌している」の意)。


CIPHER:これは僕の親友が導いてくれたんです。ざっくりと「C'est la vie」というワードはもとから知ってまして、僕の中でフランス語の「C'est la vie」は「That's life(これが人生だ)」という意味合いを持っていると思っていたから、最初はアルバムタイトルに「C'est la vie」がいいんじゃないかというところから始まったんです。ところが本場のフランス人に言わせると、「C'est la vie」ってネガティブな印象らしいんですよ、使い方としては。ポジティブに「これが人生だ!」というよりも、悲観的に「これが人生か……」というネガティブな意味合いが深いんですって。


ーーそれは初めて知りました。そうなんですね。


CIPHER:それで、僕がいつも酒をかっくらう店の親友にその話をしたら、「俺のダチが現役でフランス留学してるから、ちょっと聞いてみますよ?」と。そうしたら、この「J'aime la vie」って言葉が返ってきたんですよ。しかも「J'aime la vie」の「J'aime」には「Je t'aime(愛してる)」の意味合いがあって、俺が求めるものにこれが一番近かった。それでアルバムタイトル選考会で持ち寄ったら、これが選ばれたんです。もちろん今の話はメンバーにも伝えて。これも巡りあいですよね。


■「このアルバムを聴いて何かを取り戻してもらえたら」


ーーヒリヒリ感があるものの、全体的にポジティブな空気に満ちている。すごくぴったりなタイトルだと思いますよ。このアルバムは頭3曲の流れが本当に気持ち良くて、これだけ聴いてまずガッツポーズを取ってしまったほどです。


CIPHER:ありがとうございます(笑)。せっかく取材していただいたのでお教えしますけど、オープニングのイントロダクション(1曲目の「Kilmister=Old NO.7」)があるじゃないですか。このタイトルの意味、なんのこっちゃわかります?


ーー「Kilmister」はMotörheadのレミーのことですよね?(※レミーのフルネームはLemmy Kilmister。)


CIPHER:おお、正解。でも、実はもっと深い意味があるんです。レミー=Old NO.7、Old NO.7とはいわゆるジャック・ダニエルのことなんです。


ーーなるほど! 確かに「Old NO.7」とジャック・ダニエルのラベルに書いてありますよね。


CIPHER: 「J'aime La Vie」に巡りあわせてくれた親友は、レミーが神様なんですね。で、レミーが星になって、あれからアーティストの訃報が続いて……いわゆる献杯を。ずっとジャックを飲み倒している日々の中、曲作りに没頭してて。そこから「ジャック・ダニエルのことを何か別の形でカッコ良く表現できないかな」と考えて、このタイトルを親友と導き出したんです。だから、ジャック・ダニエルを飲んでこのアルバムが生まれたと言っても過言ではないと。そういうのって、ロック好きからしたら楽しいでしょ?


ーー確かに。特に70年代のロックには、そういう隠されたエピソードやキーワードがたくさん散りばめられていましたしね。


CIPHER:そうですよ。酒だの女だの“草”だのヘロインだのですよ(笑)。それを後で意味を知って、ほくそ笑むというね。しかもこれ、44秒なんですよ。マグナム(44MAGNUM)に敬意を表して。


ーーおおっ!(※CIPHERはデビュー前、44MAGNUMのギタリストJIMMYのローディーをしていた時期があり、JIMMYを師と仰いでいる。)


CIPHER:「頼むから44秒にしてくれ!」と(笑)。そういうつまらないこだわりの積み重ねなんですよ。ロックって、そういうところまで楽しんだほうが絶対に面白いですし。


ーーここまで話を聞いていて、鳥肌が立ちました(笑)。ちょっと視点を変えますけど、ギタリストとしては今作とどのように向き合いましたか?


CIPHER:ギタリストねぇ……まいったなぁ(苦笑)。本作にはプロデューサーもいなければ、録音のときにサウンドプロデューサーもいないので、自分でセッティングしてやっているんですけど、気づいたらこうなっていたんですよ。自分で「こういうトーンが欲しい。この曲では絶対にギターがこのトーンで鳴ってなきゃあかんねん」っていう。だから、技術面よりもサウンドメイキングにこだわった1枚ですね。


ーーそれぞれの曲を最良の形で表現するためのこだわりってことですよね。


CIPHER:そう。トーンが変わったら曲の雰囲気がガラリと変わりますしね。


ーーその調整具合が絶妙だと思います。本作でもうひとつ気になるのが、通常盤のみラストに追加収録された「Loveanymore -J'aime La Vie version-」。インディーズ時代から演奏してきた「Loveanymore」の新バージョンですよね。


CIPHER:これはなんてことないですけどね(笑)。去年のクリスマスイブに毎年恒例のファンクラブライブをやったんですけど、そのアンコールでアコースティックというか、ちょっとしっぽりしたスタイルで「Loveanymore」をやったんです。そのときのフィーリングやトーンがすごく心に残っていたので、「あれを音に残そうよ」と。イブのライブでも都(啓一。SOPHIA、Rayflowerなどで活躍するキーボーディスト)がピアノを弾いていたので、レコーディングでも素敵なピアノソロを弾いてもらいました。あのピアノソロは最高ですよ。


ーー原曲とは違ったバラードアレンジで、同じ激情感でもタイプが違った表現だなと思いました。この「Loveanymore」で終わる構成もまた新鮮ですね。


CIPHER:アルバムラストというポジションですけど、本当はこのアルバムは「沈む」でピリオドなので。あくまでも、最後にちょっと……焼肉屋に行って「最後にアイスでもどうですか?」みたいなおもてなし感ですかね(笑)。


ーー改めて、80年代に誕生したD'ERLANGERが2017年現在も健在で、しかもこんなにも濃厚な作品を届けてくれた事実はすごいことだなと思うんです。


CIPHER:けど俺らは間にぽっかり、16年ほど空いてますから。俺らの上には各メンバーが、そしてバンドとしても可愛がっていただいているBUCK-TICK大先輩がいらっしゃるので。BUCK-TICKを前にしたら俺らぐうの音も出ないし、小僧感が半端ないですからね。あれだけ途切れずあの位置に君臨していらっしゃると、減らず口が何ひとつ出てこないです(笑)。だからこそ、俺たちはただただ魂を焦がすしかないんです。今回、群馬・高崎のスタジオでレコーディングしたんですけど、そこもTetsu(Dr)がBUCK-TICKのアニイ(ヤガミトール)さんとの付き合いから紹介していただいて。俺らの世代では群馬といえばBOØWYとBUCK-TICKという二大巨頭がいて、みんな大好きでしたし今でもリスペクトしている。そういう思いは、このアルバムにもいろんな形でオマージュが散りばめられているんですよ。


ーーそういうリスペクトが込められていると。そういう意味では、このアルバムは学生時代にD'ERLANGERを聴いていた人はもちろんのこと、BOØWYやBUCK-TICKが好きだったけど最近ロックを聴いてないという世代にも触れてほしいですね。


CIPHER:そうですね。このアルバムを聴いて何かを取り戻してもらえたらなと。そして、ちゃんと数字として結果を残せたら最高ですね。本当に売れてほしい(笑)。これは言霊ですからね。売れますよ。群馬のスタジオでもらった達磨にも目玉を入れないと。(取材・文=西廣智一)