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2018年夏開催の『鈴鹿10時間』の概要発表。インターコンチネンタルGTの得点も

2017年05月02日 18:32  AUTOSPORT web

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これまでスーパーGTの一戦として争われてきた鈴鹿1000kmが、2018年からGT3による10時間耐久に生まれ変わる。
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは5月2日、2018年8月23~26日に開催する『第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース』の概要を発表した。今回新たにインターコンチネンタルGTチャレンジのポイントが付与されることが明らかになったほか、賞金1億円の内訳も発表されている。

 2017年までスーパーGTの一戦として開催されてきた夏の鈴鹿1000km。2018年から「これまでの鈴鹿1000kmのコンセプトを継承」しつつ、新たなGTカーの世界一統一戦を実現するべく、鈴鹿10時間耐久レースとして開催される。すでに開催決定は3月4日の鈴鹿サーキットファン感謝デーで発表されていたが、2日、新たな概要が発表された。特筆すべきポイントをピックアップしてみよう。

■市街地での公開車検も実現。スケジュールは4日間に
 まず、開催日程が発表された。スケジュールとしては4日間で、8月23日(木)には、120分の特別スポーツ走行が行われるほか、市街地で一部マシンによる公開車検が行われる。この試みはル・マン24時間をはじめ、ニュルブルクリンク24時間、スパ24時間等でも同様のものが行われている。街並みとレーシングカーが織りなす公開車検の雰囲気は独特のものだ。

 また、24日からは120分のスポーツ走行に加え、午後は夕刻に120分、そしてナイトセッションが90分とフリープラクティスが2セッション行われる。また、25日には公式車検と公式予選が行われ、26日はスタートセレモニーとアトラクションが行われた後、決勝レースが午前10時30分から午後8時30分まで行われる。

■ドライバーカテゴライズはなし。IGTCポイントも付与
 また、参戦に関する詳細も発表されている。ドライバーについては、国際Cライセンス以上の所持者で1チーム3名までと定められており、これが全チームに適用となる。つまり、プラチナやゴールド、ブロンズといったカテゴライズがないため、3名がプロドライバーでもOKということだ。これはスーパーGT300チームにとっては参戦しやすい環境と言えるだろう。

 また、BoPはJAF-GT車両含む全車がSROモータースポーツグループとGTアソシエイションが協議して決定する。参加カテゴリーとしてはGT300車両、スーパー耐久ST-X車両、FIA-GT3車両と定められているが、GT300とST-Xは当該年のシリーズエントリーチームとされている。また、主催者インビテーションチームに加え、『次世代車両開発を対象としたカテゴリーが設定される場合がある』というのが気になるところだ。

 タイヤについては、3月の時点で「ワンメイクになるだろう」とSRO代表のステファン・ラテルが語っていたが、今回の発表でワンメイクが決定した。供給メーカーは主催者指定で、決定次第発表されるという。これまでのSROイベントの実績を考えると、ピレリ、もしくはヨコハマが有力だろうか。

 シリーズポイントについても発表されているが、スーパーGT300、スーパー耐久についてはシリーズポイントの付与はなし。シーズンからは独立したイベントとなる。一方で、インターコンチネンタルポイントの付与があることから、インターコンチネンタルGTチャレンジに参戦するメーカーのワークス格チームの参戦が期待できる。

 2017年のインターコンチネンタルGTチャレンジのマニュファクチャラーランキングには、現在アウディ、ベントレー、マクラーレン、メルセデスベンツが登録されている。これらのメーカーの有力チームの参戦の期待が大いに高まったと言えるだろう。

■優勝すれば3000万円以上ゲット! 特別賞も設定
 3月の発表会で「賞金総額1億円」と発表されていた賞金の内訳が明らかにされた。賞金は総合賞が8,850万円、特別賞(予定)が1,150万円。総合賞は順位に対して与えられるもので、1位は3,000万円。2位は1,500万円、3位は800万円となっている。4位以下にも賞金は設定され、31位以下は10万円台となっており、フルグリッド台数となる50位まで設定される。

 また、特別賞はアジア賞として1位に300万円が与えられるほか、2位に150万円、以下6位まで設定される。アジア賞は表彰台、トロフィーも与えられる。また、ベストラップ、ポールポジション、ベストパフォーマンス賞、ベストピットワーク賞としてそれぞれ100万円となっている。

 さらに、『1hourトップ賞』として1時間ごとの総合トップのチームに10万円が与えられる。もし仮に10時間のレースで一度もトップを譲らず優勝できれば、100万円+優勝賞金3,000万円を獲得することができる。しかも日本含むアジアチームの場合、最大で3,400万円以上の賞金獲得が可能だ。ポールポジション、ベストラップを獲ればさらに加算できる。

 チームにとってもドライバーにとっても、この賞金は非常に魅力的だろう。総合賞では20位以上に入れば100万円以上を獲得できるため、参戦のモチベーションになるのは間違いない。