5月6~7日にスウェーデンのクヌットストープで開幕を迎える新生STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権。そのオープニングに先立ち、4月26~27日に同トラックでプレシーズン・テストが敢行され、4回のセッションを経てクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)に加入した大ベテラン、フレデリック・エクブロムのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRが最速タイムをマークした。
3度のSTCCタイトル獲得経験を持つエクブロムは、昨年までWTCC世界ツーリングカー選手権で所属していたポールスター・シアン・レーシングを離れ、今季からKMSに加入。
チームとの初仕事となるテストで、初めて乗り込んだTCRマシンで好タイムをマークし、合計18人が参加し14人が秒差で並んだテストで最速を記録した。
「テストではふたつの楽しい出来事と、同じ数の心配事もあった。もちろん、トップタイムを記録したのは良い出来事で、マシンはこのトラックに合っていて簡単にフィットできたので、少し驚いたけど本当に楽しかった」とエクブロム。
「でも、ドライビングスタイルをこれまでと少し変えなくてはならないかもしれない。簡単にオーバースピードに陥るし、いつもの感覚ではラインがワイドになってしまう。そこは修正しないとね」
総合2番手には、ホンダ・レーシング・スウェーデンとしてワークス参戦を果たすマティアス・アンダーソンのシビックTCRが続き、最終日の最終セッションでニュータイヤを履いたところでベストタイムを記録した。
「テストではずっとユーズドタイヤで過ごしてきて、マシンのパフォーマンスに満足していた。だから最後に2セットだけ、ニューを投入することにしたんだ」
3番手、4番手には、ともに今季からSTCCデビューを飾る新人が入り、レストレップ・レーシングのデニス・ストランズバーグ、KMSのフレデリック・ブロムステッドが続いた。
■全15チーム、24台が参戦。STCCはTCR規定最大勢力へ
このテストが終了した27日には17年の公式エントリーリストも発表され、シーズンには24台、15チーム、5つのマニュファクチャラーが参戦することとなり、TCR規定シリーズでも最大勢力となることが判明。
STCCを運営するSTCC ABのCEOを務めるヨナス・リンデンも「我々の期待を超える関心を集めることができた」と、新生STCCの初年度に向け自信を見せている。
「昨年までのソリューションF(フランスのコンストラクター)製マシンで争われたシーズンから、さらなる飛躍を遂げる準備ができた。開幕戦には少なくとも15人が参戦し、全7戦で19歳のティーンエイジャーを含む24名がエントリーする」
「第2戦は隣国フィンランドで開催され同国のチームもエントリーしているし、18年にはアウディ、ホンダ、キア、セアト、そしてフォルクスワーゲンに加え、さらに多くのマニュファクチャラーが参入してくれると信じている」
また、STCCのスポーツ・マネージャーを務めるトーマス・ヨハンソンは、レースフォーマットに関して「週末に3ヒート制を採用する初めてのTCRシリーズになるだろう」と説明した。
「つまり、全7戦で21のレースが開催されることになり、加えて週末には2時間のプラクティス・セッションと、各ヒートに向けたQ1、Q2、そしてQ3の各予選を開催してグリッドを決めることになる」とヨハンソン。
また各ヒートの成績上位から30、20、10kgのサクセスバラストを課すのはTCRインターナショナルと変わらず、各マシンの性能格差を調整するBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)の運用も同様。しかし予選の項でも触れたとおり、リバースグリッドの運用は見送られることとなっている。