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「民事訴訟管理センター」からの架空請求ハガキに注意 3月下旬から1200件の被害報告

2017年05月02日 17:42  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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国民生活センターは5月1日、「民事訴訟管理センター」と名乗る架空請求ハガキの相談件数が3月下旬から急増しているとして注意を呼び掛けた。

ハガキには「総合消費料金」が未納のため、契約会社や運営会社から民事訴訟を起こされていると記載されている。裁判取り下げ最終期日までに裁判所に連絡をしなければ、給与や動産・不動産の差し押さえをすると通告し、記載された電話番号に連絡するよう誘導されるという。

手段はメールからハガキへ「忘れた頃に手を変え品を変え騙そうとしてくる」

その番号にかけると新たに別の電話番号を教えられ、そこで弁護士と名乗る男に接触。数十万円のプリペイドカードを買ってくるよう指示されるという。要求額は30万円から50万円と高額だ。

国民生活センターによると、3月27日に最初の相談が寄せられた後、同様の相談が相次ぎ、同月は409件、4月は552件にもなったという。同センター相談情報部の担当者はキャリコネニュースの取材に対し「50代から60代を中心に、幅広い年齢の方が被害に遭われています」と明かした。

「これまで寄せられている相談のうち、9割が女性からのものです。ただ、女性が狙われているというわけではなく、日中家にいることの多い女性のほうが、ハガキを受け取ったことを相談しやすい、という背景もあるかと思います」

被害地域に偏りはなく、5月2日16時現在で沖縄を除く全国の都道府県から報告されている。総件数は約1200件にもなるという。

架空請求の相談件数は2004年に年間70万件とピークを迎えて以来減少傾向だが、当初はハガキだった手口がメールに代わり、最近再びハガキに戻りつつあるそうだ。

「業者は、忘れた頃に手を変え品を変え騙そうとしてきます。特定の時期に増えるということもありませんから、1年を通して油断は禁物です」

本当に民事訴訟を起こされた場合、ハガキは絶対に届かない

裁判に関わる費用をプリペイドカードで支払うことも、常識としてはありえない。また、本当に民事訴訟を起こされた場合には、ハガキのように簡素なものではなく、誰が誰を訴えているのか明確に記載された「訴状」が、特別送達郵便で届くことになっている。

国民生活センターの担当者は、

「このようなハガキやメールが届いた場合、慌てると思いますが、記載の連絡先には絶対に連絡しないでください。必ず、国民生活センターなどの公的な窓口に相談してください」

と注意を促している。