チャージ済みSuicaやパチンコの特殊景品など現金化できる商品が出品されては禁止されてきた「メルカリ」。次々と換金可能な商品が出品され、ついにはキャッシュバック付きの「福を招く絵馬」や「ニュートリノ」が登場。もはや大喜利の様相を呈してきた。
「福を招く絵馬(10万円キャッシュバックキャンペーン)」
5月2日の午前中に確認すると「福を招く絵馬(10万円キャッシュバックキャンペーン)」という商品が13万円で出品されていた。説明欄には、
「ただいまキャンペーン中で、10万円キャッシュバック致します」
「キャッシュバックは現金書留かご希望の口座に振り込み致します」
と説明が添えられており、完全にキャッシュバックがメインになっている。商品はもはや隠れ蓑でしかない。
「ニュートリノ(あんしん保証つき)」の出品もネット上で話題だ。石川県の「上水道」の水を使っており、そこにニュートリノが溶け込んでいるという。価格は1万3500円だ。
「万が一液中にニュートリノが確認できない場合、手数料3500円を引いた1万円を返金いたします」
「ニュートリノは非常に扱いづらく、残念ながら現在の技術では返金となるケースが少なからずございます。しかしご安心下さい。コストカットの為、返金分はあらかじめ商品に添付いたします」
と説明が添えられていた。ただの水道水を元手に数千円の小遣い稼ぎをしている、ということのようだ。他にも、パワーストーンやショルダーバックがキャッシュバック付きで出品されていた。
「ここまで頭回るならもっとほかの所に生かせないのか」
先月末には、福澤諭吉の著作『現代語訳 福翁自伝』(斎藤孝=編訳、筑摩書房)に「福沢諭吉本人のポートレートカードを1枚」付けたものが1万5000円で出品されて話題に。ポートレートカードの説明には、
「茶色がかっていますが、仕様です」
「カードは1万円程度で手に入れたものなのでかなり貴重かと思います」
といった文言が並んでいた。1万円札を「福沢諭吉本人のポートレートカード」と言い換える発想力には思わず感心してしまう。
新たな商品が出品される度にネット上で話題になり、「大喜利みたいになってて面白いな」、「ここまで頭回るならもっとほかの所に生かせないのか」といった声が上がっている。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、「中には愉快犯もいるのでは」と語る。
「犯罪として組織的に出品している人たちだけでなく、個人の愉快犯も便乗して出品し始めているのではないでしょうか。ニュートリノなどは違法性が証明しづらいので上手く考えていると思います。不謹慎ですが、面白いなとも思ってしまいます」