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3人に1人がパワハラ被害を経験 「カッターで頭部を切られた」「物を投げつけられた」という報告も

2017年05月02日 07:12  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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厚生労働省は、4月28日、「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の結果を発表した。3人に1人がパワハラ被害を受けたことがあるといい、「唾を吐かれた」といった報告もあった。

調査の対象は、全国の企業・団体に勤務する、20~64歳の男女1万人。2016年7月22日~27日にインターネット上で実施された。32.5%が過去3年間にパワーハラスメントを受けたと回答。内訳としては、「繰り返し経験した」が7.8%、「時々経験した」が17.8%、「一度だけ経験した」が6.9%だった。

「職場での会話での無視や飲み会などに一人だけ誘われない」

「繰り返し経験した」人ほど被害は深刻で、「眠れなくなった」(36.1%)、「通院したり服薬をした」(20.9%)という人も多かった。パワハラの内容としては、暴言などの「精神的な攻撃」が54.9%で圧倒的に多く、

「いること自体が会社に対して損害だと大声で言われた」(男性、50歳以上)
「全員が観覧するノートに何度も個人名を出され、能力が低いと罵られた」(男性、20歳代)

といった被害が報告された。次に多かったのが、「過大な要求」(29.9%)で、「多大な業務量を強いられ、月80時間を超える残業が継続していた」(男性、20歳代)という人も。

「人間関係からの切り離し」(24.8%)も多かった。「今まで参加していた会議から外された」(女性、50歳以上)、「職場での会話での無視や飲み会などに一人だけ誘われない」(男性、30歳代)といった訴えが寄せられた。

「身体的な攻撃」を受けたという人も6.1%いた。

「カッターナイフで頭部を切りつけられた」(男性、20歳代)
「唾を吐かれたり、物を投げつけられたり蹴られたりした」(男性、20歳代)

というのはもはやパワーハラスメントというよりも、単なる暴行だ。

このような被害を受けても「何もしなかった」という人が40.9%と最も多かった。相談するにしても、「社内の同僚」(21.6%)、「家族や社外の友人」(17.6%)、「社内の上司」(17.3%)など身近な人に相談している。

「社内の担当部署」(9.7%)、「社内の相談窓口」(8.6%)、「社外の相談窓口」(3.6%)を頼る人はあまりおらず、残念ながら、パワハラを防ぐ施策がほとんど役に立っていないことがわかる。

何もしなかった理由としては、「何をしても解決にならないと思ったから」が68.5%と最も多く、パワハラの被害を受けた人に諦めが広がっているようだ。

企業は「相談窓口設置」で対策したつもりになっているが活用されず

企業調査は、2016年7月25日~10月24日に、正社員が30人以上いる全国の企業・団体を対象に実施。4587社から回答を得た。そのうち、パワーハラスメントの予防・解決のための取組を「実施している」企業は52.5%だった。

実施している取り組みについては、「相談窓口を設置した」が82.9%と最も多く、「管理職への講演や研修会」(63.4%)、「一般社員への講演や研修会」(41.2%)が続いた。しかし効果を実感できた取組としては、「管理職への講演や研修会」(74.2%)、「一般社員への講演や研修会」(69.6%)が「相談窓口」(60.6%)を上回った。

従業員への調査からも、社内外の窓口を利用する人は少ないことがわかっており、そこを何とか改善していきたいところだ。