ネット動画が普及しているとはいえ、映画館で映画を見るのは気持ちいものだ。デート先として映画を選ぶ人は多い。
はてな匿名ダイアリーには4月27日、既婚女性が映画デートにまつわる恋愛エピソードを投稿したが、これが「素晴らしすぎ」「地に足がついた素敵な関係」とネットで話題になっている。
夫の衝撃告白「映画館で見たときもそんなに面白くはなかった」に潜む優しさ
元となったのは同日に投稿された「はてなーは映画デートするとしたらどんな映画を選ぶ?」という記事。女性はこの質問に答える形で思い出を投稿し、1000件を超えるはてなブックマークがついた。
女性が現在の夫となる男性と交際を始めた時、デートで「マトリックスリローデット」(2003年公開)を一緒に見た。同作は1999年に公開された「マトリックス」の続編。女性にとってはさっぱり面白くない内容だったが、夫は楽しそうに映画の感想を話していたという。これを見て女性はこう思った。
「こんなにつまんないものを楽しめるとは大した人だなと感心して、一緒にいたらこれからも楽しいかもなとトキメいた」
どうやらこの時のエピソードが2人の関係に好影響を与えたようだ。10年が経ち、2人は結婚して子どももできた。女性はテレビでやっていたマトリックス3部作の放送を録画しておいたが、夫が後に録画を見たところ、「やっぱ二作目はいまいちだなあ」と、反応が芳しくない。
女性が「アンタこれめっちゃ褒めてたやん昔」と驚いた態度をすると夫は、「映画館で見たときもそんなに面白くはなかった」「初めて一緒に見た映画が駄作というのは気分が下がるかもしれないから頑張って褒めていい思い出にしようとした」と当時の本音を漏らす。これを聞いた女性は「あたしのあのトキメキを返せ」と思ったが、
「改めて、その優しさというか前向きさというかとにかく必死さは大したものだな(中略)ありがとうと言うしかない」
と感謝の気持ちで投稿を結んだ。
「初めて一緒に観るのに、つまんなそうにされるよりよっぽどいい!」
はてなブックマークでは、「つまらなかった連呼されるよりもいいよね」など、デートにおける夫の対応を賞賛する声が多く挙がっている。
「『いい思い出にしようとした』ってトコ、ホントかっこいい」
「旦那さん優しい~?初めて一緒に観るのに、つまんなそうにされるよりよっぽどいい!ロマンチックな話」
確かに、デートに行って、相手から退屈そうな態度を取られるのは辛いものがある。女性の気持ちを慮って、本当はあまり面白くなかったにもかかわらず、2人の関係を良いものにしようとわざと楽しい雰囲気にしようとした夫の対応は素敵だ。男性からも、「おれだったらクソさの共感で盛り上げようとしたかもしれない。その点あんたのダンナはすげーよ」と対応を評価する書き込みがあった。
一方で、「なぜマトリックスリローデットなのか」という疑問をぶつける人も。同映画の日本公開は2003年6月だが、同月公開された松田龍平さん主演のラブストーリー「恋愛寫眞 Collage of Our Life」などの作品でもよかったのではというツッコミも入っていた。
映画内容は大切だが、相手の気持ちに対する思いやりはもっと大切、ということだろうか。