今年2月にF1の開催契約を2025年まで延長したことを発表したロシアの副首相ドミトリー・コザクが、F1ロシアGP土曜日の予選前にサーキットに登場した。
コザク副首相は国家的事情として開催しているロシアGP牽引している政府側の事実上のトップで、モータースポーツに造詣が深い人物として知られる。
昨年のロシアGPでは、新しく投入した燃料システムに不具合が発生したハミルトンのためにメルセデスAMGが同じパーツをチャーター機で空輸したが、その際、税関をスムーズに通過させる粋な計らいを行ったのがコザク副首相だった。
税関を通過するのにかかった時間はわずか90秒だったという。
そのコザク副首相がサーキットに視察に来たということで、新しくF1の会長兼CEOとなったチェイス・キャリーが対談。
会談後、メディアの前に登場したしたコザク副首相は「F1はロシアにとって重要なイベントである」と、F1ロシアGPが2025年まで延長したことの正当性をアピールしていた。
ただし、今後のロシアGPはこれまでのようなバックアップを政府から受けられるわけではない。これまで3年間、タイトルスポンサーがなかったロシアGPに、今年は「VTB」がついた。
VTBはロシアを代表する銀行グループで、長期的にロシアGPをサポートしていくことになっている。
また、噂されているナイトレースの可能性についての質問が飛んだが、コザク副首相は明言は避けた。
なお、ロシアGPのプロモーターであるセルゲイ・ウォロビヨフは「ナイトレースを行うには、それを実施するためのインフラ整備を、国外の企業ではなくロシア国内の企業が行うことが条件」だと語り、「来年すぐにナイトレースを行うことはないだろう」という見解を示している。