WRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンティーナは4月29日、SS10~15のデイ3が行われ、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が暫定トップを維持。しかし、11.5秒後方にティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が迫っている。
前日、1分近いリードを築いていたエバンスだが、この日は午前中の走行から不運に見舞われる。オープニングのSS10こそ、ステージトップタイムだったものの、SS11~12と2SS連続でスローパンクチャーが発生。スペアタイヤに履き替えて走行を続けたが、総合2番手とのギャップが44.1秒まで減少した。
サービスを挟んで行われた午後の走行では、ステージ走行中にマシンのディフューザーを失う不運があり、エバンスはリヤスタビリティに不満を訴える。
この影響でペースを上げられないエバンスは、SS14で15.1秒、SS15で18.9秒もの遅れを取り、総合2番手に浮上したヌービルに11.5秒差まで迫られた。
前日、総合2番手だったマッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC)は、午前中ハンドブレーキに問題を抱えたほか、川渡りのウォータースプラッシュではディフューザーを破損。マシンバランスが崩れてしまい、ペースを上げられず総合11番手までポジションを落としている。
シリーズで唯一、このラリー・アルゼンティーナのみ優勝経験のないセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)も、ウォータースプラッシュでハーフスピンしたほか、コース上に迷いこんだ犬を避けるために一時スローダウンしたことでタイムロス。加えて、マシンのハンドリングに問題を抱えたといい、チームメイトのオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)に続く総合4番手で走行を終えた。
■トヨタ勢は堅実な走りでポジションアップに成功
前日、2台揃ってデイリタイアしたシトロエン勢は、この日も不運が相次いだ。エースのクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)は午前中こそ快調な走りだったものの、午後のSS14でまたも横転。デイリタイアした。
クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)は午前の走行後、サービスパークでオイル漏れが見つかり、大きくタイムロス。トップから1時間以上遅れた総合18番手まで後退している。
TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、ダンパーの破損やフロントウインドウが割れるなどの不運がありながらも、堅実な走りで順位をひとつ上げることに成功。オジエと34.7秒差の総合5番手につけた。
チームメイトのユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は、前日発生したパワーロスのトラブルが再発したものの、前日からふたつ順位を上げ、総合7番手で走行を終えている。
競技最終日となる30日のデイ4は、SS16~18の3SSで争われる。