WRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンティーナは4月28日、SS2~9が行われ、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が総合首位に浮上した。TOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6番手、ユホ・ハンニネンが総合9番手につけている。
■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC):デイ2総合4番手
「予想していた通り、全員にとって厳しく困難な1日になったね。たくさんのドライバーが多くのトラブルを抱えていた。それに加えて僕たちは先頭で掃除役を務めるから苦労することは分かっていた」
「できる限りの力を出して戦ったから、総合4番手につけたことに満足しているよ。まだ表彰台を目指して充分に戦えるから、明日をとても楽しみにしている」
「明日もプッシュし続けてもっと楽しい1日にするよ。明日のロングステージは景観がとてもきれいな場所なんだ。あそこを走るのはすごく楽しいと思うよ」
「エルフィン(・エバンス)は今日は信じられないくらいのスピードを出していて、誰も彼のパフォーマンスにかなう者はいなかった。彼とダン(コドライバーのダニエル・パリット)の走りには眼を見張るものがあった。彼らがあの走りを続けたら、もう誰も追いつけないよ。でも、まだ先は長いということはもちろん覚えておく必要があるね」
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC):デイ2総合5番手
「今日はトリッキーな日だった。このラリーはマシンに過酷だということが分かっていたから、つねに安全なドライブを心がけ、マシンの状態を気にかけるようにしていた」
「何箇所かのラフな区間では慎重になりすぎてしまったかもしれない。でも今日一番重要だったことをやり遂げることができた」
「(路面が)スムーズな区間ではかなり速度を出してドライブしたしタイムも良かったから、明日は少なくとも総合2番手を目指して戦えると思うよ」
「まだ(優勝にも)手が届くと思うし、何が起こるか分からないからね。明日のステージは今日みたいにラフではないから、マシンには優しいだろうし、ドライブを楽しめるのは確かだ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC):デイ2総合首位
「今日は僕たちにとって素晴らしい1日だった。すべてが上手くいって、最初からとてもいいリズムを掴むことができたんだ。楽しんで走ることができた。言うことなしだよ。マシンのパフォーマンスは本当に良かったし、ドライバーの働きも悪くはなかったんじゃないかな!」
「アクシデントもなく、総合首位というポジションを手に入れることができて本当にうれしいよ。でも、まだ先は長いということを忘れてはいけないね。明日も楽しめるステージがあるけど、難しい場所でもある。アルゼンチンではいつもそうだけど、明日も厳しい1日になるという覚悟をしているよ」
「それでも、今はとても素晴らしい気分だ。明日も楽しみながら走るようにしなくては。結果については考えすぎないようにしている。まったく新しい1日が始まるかのように、ただ自分自身に集中するんだ」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC):デイ2総合3番手
「誰にとっても困難な1日だったことを考えれば、総合3番手でデイ2を終えられたことには満足している。
ラリー・アルゼンチンはこれまでもタフなラリーだったけれど、今週末は普段以上に厳しい」
「午前中の走行は大変だった。走行中、たくさんのことが起きたからサービスパークにたどり着いた時はほっとしたよ。リヤダンパーにダメージを負ってしまって、思うようにプッシュできなかったし乗り心地も良くなかった」
「メカニックたちがランチタイムの間に並外れた仕事をしてくれ、チームの3台ともすべてをしっかり戦えるように修復してくれた」
「午後もトリッキーな戦いだったけど、気分は良かったし、表彰台を目指して順位を上げることができた。まだ先は長いけどね!」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC):デイ2総合7番手
「午後の方が、うまくいったよ! 今日のコースのコンディションはとてもラフだった。特に新しいマシンはスピードが上がっているから、昨年よりもきつい戦いになっている」
「今日の最初のステージでは、ヘアピンで足を取られ、マシンを横転させてしまった。幸運にも、スピードがとても遅かったから、その後もラリーを続けることができた。マシンの戦闘力は落ちてしまったけど、走り続けることはできた」
「サービスパークでは、チームが素晴らしい仕事をしてくれて、午後の走行のためにマシンを整えてくれた」
「今シーズン最初のステージ優勝を飾れたら嬉しいけど、このラリーは消耗戦になると分かっているし、この先もまだたくさん戦う場が残っている」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC):デイ2総合13番手
「今日はついてなかった! コースにもろい岩石がたくさんあって、マシンにはよくないだろうと分かっていたんだ。午前中にSS3で右に曲がる高速コーナーに差しかかったとき内側に何か感じたんだ」
「(マシンの様子を)見てみたらステアリングアームが壊れていて、止まって修理しなければならなかった。それでかなりタイムを失ったね」
「僕はこのラリーを本当に楽しんでいて、スピードにも乗れていたから、かなりがっかりした。でも、チームのおかげで午後も走行を続けることができたよ」
「今の目標は週末を精一杯戦って、僕たちがどこまでポジションを上げられるか試すことだ」
■シトロエン/シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC):デイ2総合15番手
「チームの2台ともが同時にリタイアする羽目になったから、SS4はちょっとした悪夢だった」
「それまではペースもよかったし、エルフィン(・エバンス)の後ろ(総合2番手)につけていたから残念でならないよ」
「コース上のバンプには驚いた。マシンがジャンプして次のコーナーまでコントロールが効かなくなった。僕たちはコーナーの外側の土手にぶつかって、横転したんだ」
「大きなクラッシュではなかったけれど、マシンはかなり損傷を受けてしまった」
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC):デイ2総合14番手
「午前中のステージを走り始めてから、何箇所か路面の状況を判断するのが難しいと感じる時があった。だから、なるべくプッシュしないようにしていた。プッシュしたかったけどここは我慢する必要があると分かっていたからね」
「SS4で左への高速コーナー上の溝に足を取られてしまった。マシンの底が地面に強く当たってしまいギヤボックスが壊れた」
「サービスパークまでたどり着こうとしたけど、オイルが漏れてきてしまってデイリタイアせざるを得なかったんだ。また明日、競技に復帰して経験を積み重ねていくよ」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC):デイ2総合6番手
「今日は、最初のステージをスタートしてすぐに、道がとても荒れていることに驚いた。マシンの下まわりを保護するサンプガードが5回ほど路面に強く当たったから、大変な1日になると覚悟したよ」
「午後のリピートステージは道がさらに悪くなると予想して、(マシンの)下まわりを打たないように車高を高めたけど、ハンドリングに自信を持てなくなってしまった」
「SS8のスタート後しばらくして、岩を避けようとしたらラインが膨らんで右リヤがバンクに当たり、タイヤがリムから外れてしまった。それでも、そのままフィニッシュまで15kmぐらいタイヤ交換をせずに走り切った」
「ツキがなかったとも言えるけど、それでもしっかり1日を走り切ったので、マシンにいくつか改善を施し、残る2日間の戦いに臨みたい」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC):デイ2総合9番手
「コースは1日を通してラフだったので、ただひたすらステージを走り抜く事に集中した」
「午前中にはパワーが落ちるトラブルが発生し遅れをとったけど、幸運にも日中のサービスで問題点を見つけ解決できたから、午後はトラブルなく走ることができた」
「また、午前中には路面のバンプ(出っ張り)に当たって空力パーツの一部が破損し、その結果ハンドリングが少しナーバスになったけど、それほど大きな問題にならなかったのは不幸中の幸いだった」