フェルナンド・アロンソはマクラーレン・ホンダF1に加入して以来、望むような結果を出せずにいるが、フェラーリ離脱後は自身のQOL(人生のクオリティ)が向上したと話している。
アロンソとフェラーリとの契約は、本来2016年シーズン末までとなっていた。しかし同チームに在籍していた5シーズンのうち3シーズンは選手権2位に甘んじており、惜しくもタイトルを逃したことへの苛立ちと、成功するために必要なポテンシャルの不足を疑い、2年早く関係を終了していている。
アロンソは、F1に復帰したばかりのホンダと組んだマクラーレンが、すぐに結果を出せないことは承知していた。彼はフェラーリを離脱したことで満足感を得られていると言うが、3シーズン目に突入したチームはトップで争えるだけの進歩を遂げておらず、これはアロンソにとって受け入れ難い状況となっている。
「当然だけど、もっと競争力を手にしたい。だが、少なくとも(もともとフェラーリと契約があった)2015年、2016年に関しては、いまでもマクラーレンへの移籍は良い決断だったと思っている」とアロンソは話し、以下のように続けた。
「多くのことを学ぶことができた。近年のマクラーレンには、これまで僕が会ったなかでも最高と言えるエンジニアがいて、そういった人たちと仕事にあたってきた。(フェラーリでは)勝てない状況が続くことに、過度なストレスを感じるようになっていた」
「1年目から3年目くらいまではいいとしても、7年目や8年目になってきたら、状況としてはとても難しい。この2年間、結果とは裏腹に僕のQOLは向上したよ」
アロンソの後任としてフェラーリに加入したセバスチャン・ベッテルは、2015年には3勝をあげている。今季も開幕からの3戦で2戦を制し、選手権トップのドライバーとしてロシアGPに挑む。
しかしアロンソは、フェラーリが成功を収めているからといって、チームからの離脱は間違いではなく、いまでもマクラーレンへの移籍に後悔はないと主張する。
「(フェラーリとは)今シーズンの契約はしていなかった。20年後にもフェラーリは勝ち続けているだろうけど、『アロンソの離脱が正しかったどうか』なんてことを誰も聞かないことを願うよ。僕はそのころ、年寄りになってるよ!」
「僕はフェラーリで5年間走った。彼らはそれ以前にも勝っていたし、僕がいたころにも勝っていて、最後までチャンピオンをかけて戦っていた。最後の2年間は数戦で優勝し、いまもレースに勝っている。これから先も、レースに勝ったり選手権を制したりしていくのだろう」
「つまり、フェルナンドがうまくやっていたか否かと、必ずしも関係があるとは言えない。僕は幸運なことに、いつも競争力のあるマシンに乗れていて、自分のキャリアにとても満足している。目標に手が届くだけの機会に恵まれてきたんだ」