賃貸に住んでいると契約更新時に更新料が発生する。通常の家賃とは別に発生する費用のため、更新前に心がざわつく人は多い。
女性用コミュニティサイト「ガールズちゃんねる」には4月25日、「賃貸の更新料で震えてる人」というスレッドが立った。更新を翌月に控えたスレ主は、
「保険など色々なものまで加算されて、更新料だけで家賃2か月分くらいに膨れ上がって死にそうです 引っ越したいけどそんなお金も無いよ! 」
と不満を漏らした。
「ほんとふざけたシステム。 むしろ菓子折り持ってきて欲しいくらいだわ」
スレッドでは、スレ主と同様に更新料の支払いに怯える人からのコメントが相次いでいる。
「来月更新 毎日もやし。これくらいの覚悟です」
「家賃が6万弱、更新料はおよそ倍……。なんでそんなに取られなきゃいけないのかわからない 特に説明もなく聞きもせずだったけど(笑) あ~情けない」
他にも「ほんとふざけたシステムだよね。 むしろ、更新してくれてありがとうございますと、菓子折り持ってきて欲しいくらいだわ」という愚痴が出ていた。この発言にはやや上から目線な印象を受けるが、こう言いたくなる気持ちはわかる。「急に言われる訳ではないけど額が額がなだけにやっぱり痛いな~とは思う」という書き込みのように、出費に痛手を感じてのことだろう。
中には、貸主側と交渉して更新料を下げてもらったという体験を綴る人もいる。
「私は家賃がキツイから下げてほしいんですけどとこのまま言ったら4500円下がったよ。大家さん(管理会社?)も出て行ってほしいわけではないだろうし」
不動産業に従事するという人物は、客から「更新料を下げられないか」と相談されることがあるが、その際には「大家に交渉します」と書いている。
更新料は「古くからの慣習」余程の高額でなければ認められている
部屋を借りる際には敷金や礼金など、借主から不評な費用が様々あるが、そもそも更新料とは何なのだろうか。「不動産の伝道師」として活動する安孫子友紀さんは「古くからの慣習です」と話す。
更新料をめぐっては過去に訴訟が起こっているが、最高裁は2011年に、
「更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法第10条により無効ということはできない」
という判決を下している。「つまり、余程高い更新料でない限り認められているということです」と安孫子さんは説明する。一見すると貸主側に優位で、更新料増額の動きが広がるのではという懸念が生じる。だが、全国の空き家率は過去最高の13.5%、このうち賃貸用住宅の割合が約半数の52.4%を占めていることを考えると、所有者が更新料の引き上げに踏み切るとは考えにくい。(2013年、住宅・土地統計調査)。
そんな更新料だが、支払いがきつい時はどうすればよいのか。安孫子さんは、
「貸主に更新時に話をしてみるのはいかがでしょうか。貸主の判断如何によると思います」
と話す。更新料についての不明点は、契約前に物件を紹介した不動産業者の担当者に相談することも勧めている。別のやり方として、
「更新時に更新料を分割で支払う覚書を取り交わすのもありかもしれません」
と話していた。