アメリカGP決勝の後にバレンティーノ・ロッシがヨハン・ザルコの走行を批判したことを受けて、2016年のMotoGPチャンピオン、マルク・マルケスはルーキーのザルコを擁護した。
ロッシは、2015年と2016年のMoto2チャンピオンであるザルコは「ここがMoto2ではないこと」を理解すべきであり、ザルコがあまりにも遅いタイミングで追い抜こうとしたと訴えた。
これは、アメリカGPでモビスター・ヤマハのロッシがヤマハ・テック3のザルコと3位を争った際、接触されたロッシがコースを外れた後、コーナーをショートカットしたとして0.3秒のペナルティを科されたことを受けての発言だった。
マルケスは、ロッシがやらないであろうことをザルコもすることはなかったと考えている。
「もちろんアグレッシブな行為だった。でも初めの頃はみんな100パーセントの力でプッシュするものだ」とマルケスはザルコの動きについて語った。
「僕自身アグレッシブなライダーだし、バレンティーノもそうだ。僕たちも過去には激しいオーバーテイクをしたし、これからもまたやるだろう」
「自分がアグレッシブで、激しいオーバーテイクをするのなら、他のライダーも同様にアグレッシブであることを理解する必要がある。レースはいつだってアグレッシブなものだ」
ロッシはペナルティを受けたもののレースを2位でフィニッシュした。コーナーをショートカットしたことで「彼は何も得をしていない」と、マルケスもロッシが不必要なペナルティを受けたと捉えている。
ザルコはレース後半、カル・クラッチローとのバトルの後で順位を下げ、最終的に5位につけた。
クラッチローは、「ザルコのバイクはロケットみたいだった。彼はとても軽くてグリップをかなり得ているようだったよ」とし、ルーキーのパフォーマンスを称賛した。
「1周目のザルコはとてもアグレッシブだった。本当にとにかくアグレッシブだった。いいことだね」とクラッチロー。
「特に間違っていると感じたことはない」
「MotoGPはMoto2とは少し違うけど、やられたことはやり返すところだ」
「最後には彼も良いレースをしていた。彼のことは正当に評価すべきだ」
アメリカGPで3位を獲得したダニ・ペドロサは、ザルコはわざと攻撃的になるというより、Moto2と比較してMotoGPバイクではどう接近して戦うかということに適応している最中ではないかと示唆した。
Moto2のライダーはアグレッシブだと感じるかと聞かれたペドロサは「クラスが関係してるのかどうかは分からない」と答え、次のようにコメント。
「僕がMotoGPに昇格したときの経験だと、重量とスピードが変わると、すべてが違うタイミングで起こるんだ。シケインや、ブレーキングがね」
「速く到着するし、重量もはるかに増える。スペースは狭くなる。ライダーの腕は良くなるけど」
「こうしたタイミングを全部把握する必要がある。もちろん最初の頃はタイミングに対して違ったアプローチを取るかもしれないね」