トップへ

F1 Topic:すでにご破算!?ライバルも懐疑的なホンダPU救済策の可能性

2017年04月28日 23:02  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

苦しいシーズンが続くマクラーレン・ホンダ
現在、性能面においてライバルメーカーに対して大きなギャップを抱えているホンダ。FIAとF1に参戦している全マニュファラクチャーは、いまからちょうど1年前に、現在のターボハイブリッド規約を2020年まで維持することに同意した際、パワーユニットのパフォーマンスに大きな差が生じた場合、それを是正することでも同意していた。 

 FIAによれば、開幕3戦を経過した後、各メーカーのパワーユニットの性能を分析。それをスペインGPが行なわれるカタロニア・サーキットのシミュレーションデータにかけ、ラップタイム差を弾き出すという。そして、その差が0.3秒以上あった場合、ストラテジーグループが介入することになるという。

 しかし、長谷川ホンダF1総責任者によれば、「もし0.3秒以上の差があったとして、それを縮めるための救済策について具体的な話し合いは現時点でまったく行われていない」という。

 というのも、PU開発を制限するために採用されていたトークンシステムはすでに撤廃されており、現実的に可能なアイデアとして、現在年間4基に制限されているコンポーネントの基数制限を緩和するぐらいしか残っていないのである。


 ホンダ救済には、もうひとつ問題がある。それはカタロニア・サーキットのラップシミュレーションにかける際の条件だ。というのも、ラップタイムはPUの性能だけでなく、車体の性能も問われるからだ。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も「ホンダに限らず、大きなギャップを抱えたメーカーを救うというアイデアには賛成するが、問題は0.3秒をどのような基準で判断するのかは決められいないし、非常に難しい判断になるだろう」と、救済措置実施の可能性に懐疑的な見方を示している。

 さらにマクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は、次のように話す。
「私の認識では、4社のうち、3社のパワーユニットの性能が3%以内にあれば、救済措置は行われない。現時点でメルセデスAMG、フェラーリ、ルノーは3%以内に入っているので、おそらくホンダに対する救済はないと考えている」

 これが本当であれば、今シーズン、ホンダが救済されることはないということになる。