ホルヘ・ロレンソは、アメリカGP決勝でタイヤのグレイニングに悩まされたことで、ドゥカティのMotoGPマシンへの適応が素晴らしい進歩を見せていたことが隠れてしまったと語った。
2017年シーズンにヤマハからドゥカティへ移籍してきたロレンソは、開幕戦のカタールGPで11位とふるわず、次のアルゼンチンGPでは1周目にクラッシュしてリタイアとなった。
日曜日にアメリカ・オースティンで行われた第3戦アメリカGP決勝でロレンソは7位につけていたものの、最後の3周で順位を下げてレースを9位で終えた。これはチームメイトのアンドレア・ドビジオーゾより3つ後ろであり、ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのダニロ・ペトルッチより下という結果だ。
ただ、先月の開幕戦カタールGPで表彰台に上ったドビジオーゾに20秒あまり遅れを取ったときと比べると、オースティンでタイヤのトラブルを抱えながらその差を約4秒に縮められたことは、うまく前進できている証だとロレンソは話している。
「フロントタイヤ(の問題)を抱えるまでは、ドビジオーゾにもっと近づいていた」とロレンソ。
「フロントにグレイニングが生じるまでは、ドビジオーゾのすぐ後ろの7位にいた」
「だがタイヤの右側にグレイニングが発生したとき、おそらく他の誰よりも大きく、(1周あたり)コンマ5ないし7秒下げざるを得なくなったんだ」
「そこで(アンドレア・)イアンノーネが僕に追い付き、とてもアグレッシブに抜いていった。それで僕はセクター1でコースから外れてしまい、結果そのラップでは2秒ロスした」
「そのときにペトルッチも僕に追い付き、同じように抜いていった。僕がフロントのグレイニングでかなり時間をロスしたときだ」
ロレンソは、オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで走るときのライディングスタイルがタイヤに問題を発生させやすいのだと話す。
「ヤマハのときも、ここ(オースティン)で走ったときは何年かにわたってグレイニングの問題があった」とロレンソは語る。
「特に、右に曲がる3つのコーナーで、多くのライダーにこの種のグレイニングが起こる。僕のライディングスタイルだとなおさらだ。僕はスロットルにより身体を傾けるんだ」
「でも、これが起きるのはこの種のコースでだけだ。他のコースでは、チームがフロントタイヤでも良い仕事をしているし、こうした問題は起きない」
ロレンソの順位は、レースウイークの期間を通じて上下に入れ替わった。フリー走行1回目と決勝戦のグリッドはいずれも6番手だったが、その間の予選日午前中のフリー走行3回目では首位から1秒9遅れの11番手にとどまった。
ドゥカティは、ロレンソのシートポジションが間違っていることをアルゼンチンGPで発見。それによりロレンソは、オフシーズンテストの大半が無駄になったと考えている。
ロレンソは、(アメリカGPでは)マシンに乗ったときに「以前よりもずっと快適に」感じられたために、順位がさほどふるわなくてもポジティブでいられたとして次のように語った。
「マシンに乗って、以前よりもずっと自然な姿勢になれる。アルゼンチンのときよりもさらに少し良くなった。それがレースにも表れている」
「大事なことはバイクの上で快適かつ自然にいられることだ。そうすればプッシュもできるし、自信と積極性をもってコーナーに臨めるんだ」
「このレースは完璧ではなかったが、良い方向に進んでいる。アンドレアはチームに5年いてマシンのことを完璧に理解できているし、その彼の後ろに付いて走れたわけだからね」