F1の新たなコクピット保護デバイスには、ハロではなく“シールド”案が優先的に検討されることになった。ルノーのジョリオン・パーマーは、ドライバーたちの意見は「かなり割れている」と話しており、数人のドライバーがそれぞれの考えを述べている。
頭部保護デバイスのハロについては、2018年からの導入を想定して、2016年シーズンの間に多くの議論が行われてきた。しかし、最近パリで行なわれたストラテジーグループとF1委員会の会合において新たにシールド案が提示され、これがハロに代わる優先オプションとして採用されたのである。
この判断については、ドライバーからもさまざまな意見が出ているとパーマーは言う。いずれかのデバイス案を推すドライバーもいれば、頭部保護デバイスはまったくない方が良いというドライバーもいるとのことだ。
「ドライバーたちの一致した見解はない。一致していると考える人もいるようだけど、そうではない」
「意見はかなり割れている。何もいらないという人もいれば、シールド案が良いという人もいる。やっぱりハロでいきたいという人もいる。ドライバーたちの真のコンセンサスは取れていない。そう考える人がいたとしてもだ」
パーマーは昨年、ハロ導入に反対の声をあげている。シールドの方が「見た目が悪くない」としながらも、彼自身は現状のままで何も変えないのが望ましいと主張する。
「僕の考え方は変わってないよ。F1は今のままで十分に安全だと思っている。正直に言うと、もしドライバーたちが自分の安全に不安を抱えていたら、レースをしていないと思うんだ。でも全員が、いまも走っている」
「フェルナンド(アロンソ)は、F1よりもずっと危険なインディ500に参戦する。彼が(安全性を)どう認識しているかが、わかる話だ。僕は(保護デバイスは)不要だと思う」
頭部保護デバイス導入に賛成するドライバーの間では、シールドがハロより良いかどうかについての見解が分かれている。
メルセデスF1のバルテリ・ボッタスは、シールドを「一歩前進」と評価する。またチームメイトのルイス・ハミルトンもこれを「改善」だとしたうえで、「いままで出た選択肢の中ではより良い案に見える」と付け加えた。
フェリペ・マッサとマーカス・エリクソンはハロ案の支持者であり、シールドは案としては後退だと考える。「どちらが良いかと聞かれれば、シールドは見た目が美しくて良いけど、安全性の点でやや劣る。僕にとって一番重要なのは安全性なんだ」とマッサ。
エリクソンはハロを装着したマシンでテストを行った際に「特に悪い点は感じなかった」とし、次のように語った。
「みんな知っているとおり、これは僕たちドライバーを最もしっかりと保護してくれるものだ。だから僕はやっぱりハロを支持する」
「ドライバーやF1関係者の間でも、何が進むべき方向としてベストなのかについて、さまざまな意見があるのはわかっている。僕はハロでいくべきだと思う。ハロならオープンホイールのままでいられるからだ」
「外観として最も格好いいものとは言えないが、少し時間をかければ、もっと良くなれると思う」
新デバイスについては、2017年シーズン後半にコース上で実走テストが行われる予定だ。