昨季限りでDTMドイツ・ツーリングカー選手権のシートを失っていたスペイン人ドライバー、ダニエル・ジュンカデラが、新たに2017年シーズンのメルセデスAMGリザーブドライバーに就任。GT3でのブランパンGTやVLN参戦に加えて、DTMで“代打”役も務めることとなった。
ジュンカデラは今季、すでにドイツ・ニュルブルクリンクでのVLN耐久にブラックファルコンから、ブランパンGTシリーズでもチームAKKA ASPから参戦。メルセデスAMG GT3をドライブしている。
そんななか、新たにDTMでも役割を得ることになったが、ジュンカデラも「今季のメルセデスDTMチームに復帰できるのは素晴らしいことだ」と、喜びを語った。
「僕はドライバー陣とチームが本当にうまくいっていて、良い関係を築けていることを知っている。チームのスピリットと雰囲気はつねに最高のものだったし、GT3での活動とDTMでのリザーブの仕事を兼務できるのは最高の気分だ」
ジュンカデラは13年シーズンからDTMに参戦。昨季までに56レースを戦い、75ポイントを獲得している。ルセデスAMG-DTMのチーム代表を務めるウルリッヒ・フリッツは、「彼が17年のDTMラインアップに復帰してくれるのは心強い」と歓迎の言葉を口にした。
「彼は過去4年間のチーム状況をよく知っている。だからシームレスに馴染んでくれるだろうし、過去の経験からレギュラー陣に予期せぬトラブルや病気で代役が必要な際に、強力なドライバーを用意することがいかに重要かを経験してきた。ダニエルとマックス(マキシミリアン・ギュンター)のふたりのリザーブで、シーズンに向け万全の体制が整ったよ」
ジュンカデラとは別に、現在FIAヨーロピアンF3に参戦中のギュンターもDTMリザーブを務めるが、フリッツによれば「(ヨーロピアン)F3はDTMとの併催戦も多く、彼にはF3でのレースに集中してほしい」との思惑から、これらの機会にジュンカデラの出番が巡ってくることになりそうだ。
また、引き続き17年シーズンもスポーツサイレンサー製造のトップメーカーであるレムスが、メルセデスAMGモータースポーツDTMとの公式パートナー契約を締結。同時に、DTM共通パーツとなるインコネル製のサイレンサーも供給する予定となっている。
さらに、こちらも昨年に引き続きDTMシーズンと並行して、バーチャル空間による“DTMシーズン”も開幕。メルセデスAMGが主導するのは、PC向けのマルチメディア・ゲームプラットフォーム『Steam(スチーム)』で4月26日から提供が開始されている『eReacing Competition』で、ユーザーはeレーサーとして実際のDTMイベントの週末に行われるレースに参戦可能。
プレ・セッションまでに上位タイムを記録した17名までのeレーサーは、メルセデスAMGのカスタマー・レーシング部門で活躍するドライバーたちを相手に、実際にDTM本戦がスタートする日曜現地13時からの決勝に挑み、リザルトに対応したシリーズポイントが与えられる。
最終戦までに成績優秀者上位6名がホッケンハイムのフィナーレに招待され、現地でDTMワークスドライバー6名とのバトルに挑む。また、このトップ3ドライバーには、実際のAMGドライビング・アカデミー参加資格も授与される。