F1第4戦ロシアGPの木曜FIA会見は、第1部に地元出身のダニール・クビアトが出席。もちろん地元メディアの質問はクビアトに向けられます。
グランプリ前にはモスクワに立ち寄ってPRイベントなどに大忙しだったというクビアトは、母国レースの大変さを聞かれてこう答えました。
「確かに忙しいけど、母国レースももう4年目だし慣れたよ。金曜からはいつものレースと同じように各セッションを戦っていける。その3日間の戦いはいつもと何の違いもないよ」
と言いながらも、そう言っていること自体が母国レースを意識していることの証。どう見ても表情は硬く、母国ファンの声援を受けてプレッシャーを感じ緊張しているのが分かります。
ロシアメディアからは「(去年のクビアトのように、マックス・)フェルスタッペンが1コーナーでクラッシュしたらドクター・マルコは2人を交代させると思いますか?」という本気とも皮肉ともとれる質問が出て、会場は笑いに包まれましたが、クビアト本人はひとつも表情を変えずに真顔で「それはドクター・マルコに聞くべき質問だ」と真顔でそっけなく回答。
ロシアのメディアはF1に対する理解度もそれほど高くはなく、こうしたゴシップ的なぶしつけな扱いにも少なからず苛立ちがあり、クビアトの硬い表情に繋がってもいるようです。
いずれにしても、本人は否定するものの母国レースでいつも以上に力が入ってしまっている様子のクビアトが、昨年のような失敗を犯さないのか? 会見場にいた多くの関係者が心配になってしまったことは間違いありません。
続いて第2部は、ダニエル・リカルド、キミ・ライコネン、パスカル・ウェーレインの3人が出席。しかし、フロアからの質問はほぼ全てライコネンに集中することとなりました。
不本意な結果に終わっているレースの内容についてだけでなく、来季以降のことやセルジオ・マルキオンネ会長との関係悪化についての報道など、特にイタリアメディアからの質問が投げかけられました。
「ウェブや新聞には馬鹿げた記事がたくさん載っているのは知っている。でも僕は自分で見聞きしたことだけを信じるし、彼(マルキオンネ)と話した限りでは僕らの関係が悪化しているなんて思わない。今、僕の心の第一はいかに良いレースをするかということにある。来年のことは一番じゃない」
とイタリアメディアに対して皮肉たっぷりに否定し、自分の決断を後悔していないかという質問は笑い飛ばして「僕は自分の人生に満足している。自分の人生を変えたいなんて思わないよ」と断言。
クビアトに先の質問をしたロシアメディアから「ヘルシンキにカラオケバーを開店したそうですが?」と聞かれると、苦笑しながら「F1以外のビジネスもしてるけどあんまり話す気はないよ」と言いながらも、カラオケバーをオープンしたことは認めます。
司会者からすかさず「歌うんですか?」と聞かれて「歌えるよ、ヒドいけどね!」と照れ笑い。
その直後、「レースでフラストレーションが溜まったり落ち込んだときはどう対処するのですか?」という質問が飛ぶと、横のリカルドがすかさず「カラオケ!」と茶々を入れるも、ライコネンは完全スルーで「そんなのF1では普通のことだよ」と淡々と回答。
母国レースに緊張するクビアトとは対照的に、ベテランの貫禄を感じさせたのでした。