マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、ホンダのパワーユニットのアップデートをただ待っているのではなく、シャシー側も積極的に開発を推進していく必要があると語った。
ホンダは現在、アップグレード版パワーユニットの開発に取り組んでおり、これをモナコGPかカナダGPに導入する予定であるとみられるが、スペインGPに向けてもある程度の改良を行うといわれている。また、ロシアでは信頼性の面で改良したMGU-Hのコンポーネントを使用する見込みだ。
一方でマクラーレン側は積極的にシャシー開発を進めており、先週のバーレーンテストではいくつか異なるリヤウイングをテストしていた。
ブーリエは、エンジンのパワーが向上するまで待っているわけにはいかないとして、その間にもシャシー側の開発を推し進めることの重要性を主張している。その理由として彼は、「第一に、レースが我々のDNAであるということ。第二に、諦めてしまったらすべてが崩壊するからだ」と述べた。
「崩壊するわけにはいかない。我々にはシャシーパフォーマンスへの責任がある。優れたシャシーを開発し、走らせる必要がある」
「同時に、今後数年にも備えなければならない。今のレギュレーションは少なくともあと2、3年は続くからだ」
「つまり、今は将来に向けてのプラットフォームを築いているともいえる」
「我々はプロとしてレースをしている。ひとつのコンポーネントがうまく機能しないからといって、戦うことをやめるわけにはいかない」
パワーユニットにトラブルが相次いだバーレーンGPを終えた直後、ホンダF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介氏は、日本に戻り、ダイナモ上のテストの進捗状態を見守った。
ホンダは早急に状況を好転させる必要があることを理解しているとブーリエは述べた。
「もし彼らがのんびりしているようなら何かが間違っている。だが実際には彼らは現状を把握していると思う。文化が違っていても、ヨーロッパの我々と同様に彼らも懸念を抱いている」
「これはレースにまつわる課題だ。どういう対策をとり、どうやって速くなるかという問題なのだ」
「彼らはさまざまな試みをしているし、懸命に努力している。だが、ポテンシャルを解き放つためのカギを見つける必要がある」
「パフォーマンスが不足している現状を打開するため、彼らはベンチテストに取り組んでいく必要がある」