ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーによると、F1デビューシーズンとなった2016年の早いうちに、マシン開発を2017年向けに切り替えたことが、功を奏しているという。
米国を拠点とするハースは2016年シーズンの最初の4戦のうち3戦でポイントを獲得したものの、その後は浮き沈みのある中で2度入賞しただけだった。
レースウイーク中のデータ分析が遅かったためにチームは何度も失速することになったが、これまでの経験から2017年はデータ分析の領域で進歩があったことが見て取れる。
2017年のレギュレーション変更を見越して、ハースはF1デビュー前から焦点の大部分を今年のマシンに切り替えていた。昨年5月までには風洞設備の使用時間の100パーセントを2017年マシンに割り当てていたのだ。
「我々は素晴らしいことに、一歩前に踏み出している」とシュタイナー。
「昨年はF1での最初の年で、初年度にしては出来は悪くなかったと思うが、今年はさらに進歩していることを示す必要があるし、実際に示すことができた」
「マシンは昨年よりさらに競争力が増していると思う。チームは昨年計画したことをやり遂げるために懸命に仕事をしている」
「常に言ってきたのは、レース準備をもっとうまくやる必要があるということだ」
「だが優秀な人々を雇うのは時間がかかる。彼らはたいてい長期契約を結んでいるからだ。そうした人材が昨年末から今年の初めにかけて入って来て、チームで動き始めたところだ」
ロマン・グロージャンは、昨年の早いうちから始まったハースの人材獲得の推進が、レースウイークの仕事の進め方を改善する鍵になったと指摘した。
「多くのスタッフが加わったおかげで、より理解を深め、より多くのデータを見ることができる。素晴らしいことだね」
「僕たちが悪戦苦闘しているとき、タイヤや空力やデフなんかの重要なことの理解を手伝ってくれる人たちがいる。すべての分野がカバーされているんだ」
「そこからさらに作業をして、どこに問題があるか見つけ出すことができる」
ケビン・マグヌッセンは中国GPを8位でフィニッシュし、ハースの初ポイントを獲得。続いてグロージャンもバーレーンGPでポイントを獲得した。
F1の中団グループは今シーズン非常に接戦となっている。ハースは現在コンストラクターズ選手権で7位につけており、ウイリアムズ、フォース・インディア、ルノー、トロロッソの5チームとの争いになっている。
3つの特徴が全く異なるコースで、ハースが歴史あるチームとレースができているという事実に、シュタイナーは勇気が湧いたという。
「我々ははるかにしっかりしたチームだ。まだ2シーズンを迎えたばかりだというのに、ウイリアムズやルノーといった、以前はベネトンやトールマンのようなチーム相手に戦えているのだから」
「まずまずの仕事をしていることを示していると思う。それこそ我々がやりたいことだ」
「トップの大規模チームに挑むにはまだ先が長いが、中団グループの中で常にトップでいるということなら、我々にも可能だし十分に満足できるだろう」
「それは厳しい仕事だし、簡単に手に入ることではない。多くの優秀な人々に勝とうというのは困難なことだが、同時にやりがいのある楽しいことでもある」