ルノーはバーレーンF1テストで試した新しいフロントウイングが2017年序盤戦で悩まされたレースペースの問題を解決してくれることに期待している。
ニコ・ヒュルケンベルグが中国とバーレーンで7番グリッドを獲得したものの、ルノーは決勝では予選時の調子を再現することができずにいる。ヒュルケンベルグがバーレーンGPで獲得した9位がチームにとってこれまで唯一のポイントフィニッシュだ。
ルノーのチーフテクニカルオフィサー、ボブ・ベルはチームはなぜこの問題が起こっているのかを理解しており、その対処のため新しいパーツを導入する予定だと述べた。
「これは明確な事実で、思い違いなどではない。我々は今のところ、決勝より予選の方が好調だ。現在のマシンのパフォーマンスはそういう症状を見せている」とベルは言った。
「この問題の理由については合理的な理解ができていて、これに対処するため、空力とサスペンションの分野で多数の開発パーツを用意している」
「バーレーンでは新たなフロントウイングを含め、いくつかの新パーツをテストした。マシンにさらなる空力パフォーマンスを与え、若干安定させてより速いレースペースを生み出すためのものだ」
「RS17はフルスティントを通しては我々が望むレベルでのバランスが取れていない」
「新品タイヤがバランスの問題をカバーできる予選ラップの間は、この問題から目を逸らすことができるが、決勝でのロングランとなるとパフォーマンスは安定性に欠けてくる」
「RS17はコーナー進入時にはいくぶんナーバスで、続いてコーナー半ばでアンダーステアを起こす。さらにコーナー出口ではトラクションを得るのが難しく、ナーバスになる」
「もし我々がこうした分野に対処できれば、ドライバーは意のままに扱えて、高い効力を発揮するレースカーを手にすることになる」
「問題は空力に関係したものと考えている。従って主にその分野での解決策を模索している」
「コーナー進入時の問題を解決できれば、その後についてはもっと簡単に解決されるはずだ」
ベルはバーレーンGP後、予選で好成績を挙げているという事実から、ルノーのマシンが持つ真のポテンシャルを再確認できたと述べた。
「ペースがあれば、カギとなるのはそれを持続することだ」と彼は言った。
「基本的なパフォーマンスを模索するよりも、予選のペースを決勝のペースに転換するほうが簡単だ」
ルノーF1チームのマネジングディレクター、シリル・アビテブールは、今季、空力面の欠点を抱えているのは、前身ロータス時代に十分な投資がなされなかったことの影響であると示唆した。
「我々はまだあらゆる面でその代償を払っている」とアビテブールは言った。「全てを再構築する過程にいる」
「以前のチームオーナーの時には、開発を停止せざるを得なかった期間がおそらく18カ月ほどあった」
「ダウンフォースの要素においてリセットされたのはラッキーだった。そのおかげで昨シーズンよりもかなり好調に見える」
「タイヤの温度管理についてはリセットされておらず、以前よりさらに重要になっている」
「その分野で我々はまだ代償を払っている。これまでなされてきたことに関する情報を手にしていないのだ」