犬の体を清潔に保つために、またおしゃれのためにもトリミングを欠かさないという愛犬家も多いだろう。このたび中国で、中国語をほとんど話せない男性が愛犬を現地のトリミング専門店に連れて行ったところ…。『walesonline.co.uk』など複数のメディアが伝えている。
リー・シモンズさん(27)と妻のカットさんは、9か月前に英ウェールズのマーサー・ティドビル近郊の街から中国広東省深セン市に引っ越してきた。2人とも教師をしているが中国語はほとんど話せない。
知り合いが少ない街中で、2人に癒しを与えてくれたのが街中でよく見かける1頭の野良犬だった。栄養状態は決して良いとは言えず、いつもひとりぼっちでいるそのメス犬に愛着を覚えるようになった2人は“セレン”と名付け家に招き入れた。
それから6か月が過ぎ、気温が高い日が続くようになるとリーさんは暑苦しそうなセレンの様子が気になり始めた。そしてある決意をしたのだ。
「夏に向けてセレンの毛を短くしようと思いました。でもきちんとした用具がないので、プロの力を借りようと思ってトリミングの店に連れて行きました。」
「そこで働く女性は英語が全くわからなかったので、私は『犬の毛を刈って欲しい』ということをジェスチャーで伝えました。“ズゥ~”っとバリカンの音をつけてね。」
「すると彼女はうなずいて、私に4時に店に戻るようにと言いました。」
「店に戻った私は、セレンを見て我が目を疑いました。でもおかしくてね。笑いすぎて立っていることができないほどでした。」
「セレンを担当した女性は困った顔をしていましたよ。きっと私がお金を払わないと思ったのでしょう。もちろん、きちんと払いました。1400円くらいでしたよ。」
「中国の飼い犬の80%はプードルで、セレンと同じようなトリミングをしていることが多いようです。それが全ての犬に適用されてしまうのは、どうかと思いますが。妻はショックを受けていましたけど、この件以来セレンはみんなに可愛がられるようになりました。“この犬はきちんとした世話を受けている”ということを、独特のスタイルでアピールしていることになるようです。」
そのように語ったリーさんだが、言葉の壁というよりも文化の壁にぶち当たってしまったようだ。気の毒なのはセレンだが、しばらくの間はトリミングの必要はなさそうである。
なお中国では、
チャウチャウ犬などに白黒模様を着色した“パンダドッグ”が人気だという。ペットを自分の好みの姿に変えるのにも限度があると思うが、ロシアでは毛がないネコにタトゥーを施した男性が、動物愛護家らに猛烈な批判を受けている。
出典:http://www.walesonline.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)