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沢尻エリカと小池栄子、ふたりの“母親”の強さに涙! 『母になる』第3話の優しい嘘

2017年04月27日 06:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 毎週涙を流してしまうと話題の水曜ドラマ『母になる』(フジテレビ系)。沢尻エリカ演じる“実の母”柏崎結衣の切ない母親像、"育ての母”門倉麻子を演じる小池栄子の迫真の演技、そして実の母と育ての母との間で揺れ動くコウを繊細に演じる道枝駿佑が視聴者を釘付けにしている。4月26日放送の第3話では、沢尻と小池の“母親”同士がついに対面を果たす模様が描かれた。


参考:小池栄子の“狂気の手紙”に視聴者騒然! 『母になる』沢尻エリカと“声”の演技バトル


 9年前、コウが誘拐され行方不明になったことから、互いの心の隙間を埋めることができずに離婚を選択した結衣と陽一(藤木直人)。ふたりは再びコウと一緒に暮らすために、コウの前では離婚はしていないと嘘をつく。9年間の月日によって、結衣は夫の呼び名が「陽ちゃん」から「陽一さん」となり、会話はすべて敬語。そんなふたりが嘘を取り繕うために奮闘する様子は何ともいじらしい。第1話で描かれたふたりの馴れ初めをなぞるかのように、距離を縮めていくふたり。しかし、9年間の歳月はあまりに大きい。当然、コウもふたりのぎこちなさに疑いの眼差しを向ける。


 ぎこちないながらも嘘を突き通すのかと思いきや、結衣は正直に真実を告げる。「コウと一緒に暮らしたいから嘘をついちゃいました。この先もコウと一緒に暮らしたいから正直に話しました。ごめん」。それに応えるように、コウも隠れてママ・麻子に写真を送っていたことを告白する。結衣の「これからは嘘をやめようね」という言葉にうなずくコウ。結衣との再会以来、常に仮面をかぶっているように見えたコウが、初めて心からの笑顔を見せ、陽一と3人で笑い合う様子は紛れもなく親子であり、家族だった。


 これで再び家族として歩き出せる……と視聴者がホッとしたのも束の間、ここで登場するのが小池演じる門倉麻子だ。ついに対面した実の母と育ての母。どんな戦いが起きてしまうのかと思いきや、麻子は努めて冷静に9年前の事実を結衣に告げる。さらに、「今から警察に言って話してくれても構わない。私に裁判を起こしてもいい。申し訳ありませんでした」と、正直に結衣に向き合うのだ。それに対し、結衣も毅然とした態度で「コウを育ててくれてありがとうございます」と返す。結衣と麻子、憎み合ってもおかしくないふたりだが、“息子”コウのために何をしなければいけないのか、自分のことよりもコウのことを思うゆえに生まれた行動のように見えた。


 鉢合わせたコウに「もう二度と会わない」と告げ去っていく麻子。その脳裏に蘇る幼きコウとの思い出。思い出の中の麻子は、飛びきりの笑顔と優しさに満ち溢れていた。自身を追いかけてきたコウに麻子は言う。「“新しい”お母さんって言ったけど、“本当の”お母さんだよ。だからあの人のところに行きな。ママはもう寂しくなることはないから。ママはもう(コウ)に会いたくないから。忘れたから」。忘れることなどありえないはずなのに、コウのためについた麻子の嘘。その姿は第2話で描かれたコウを洗脳するかのような“狂気”の手紙のイメージから一変、愛を注いだコウのために何をするべきかを理解した“母親”の姿だった。


 キーマンである児童福祉司・木野愁平を演じる中島裕翔の演技にも驚かされた。木村拓哉主演ドラマ『エンジン』で児童養護施設で暮らす少年を演じていた中島が、12年の月日を経て、今度は児童を支える側の立場になっていることに不思議な縁を感じる。過去に心の傷を負っていると思われる木野が、今後どう本筋に絡んでくるのか。更なる楽しみが次週以降もありそうだ。(石井達也)