WRC世界ラリー選手権にプライベーターとして参戦しているマッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC)は、マシンを供給するMスポーツが提示するものとは異なるセットアップで戦う意向を明かした。
昨年までシトロエンからWRCに参戦していたオストベルグは今季、プライベートチームの『ワンベット・ジッポカー・ワールドラリーチーム』からWRCに参戦。2月の第2戦スウェーデンでは、ワークスチーム以外から初めて2017年型WRカーを走らせた。
第3戦メキシコ、第4戦ツール・ド・コルスを欠場したオストベルグだが、4月27日開幕の第5戦アルゼンティーナには復帰。アルゼンチン国内でラリー・アルゼンティーナに向けた事前テストも実施している。
テストについて、オストベルグは「サスペンションに関して独自の哲学で行くことにした」と収穫を語った。
「(マシンを供給する)Mスポーツとは異なるタイミングでテストを実施していて、一緒に作業をするのが難しい。こればかりは仕方がないけどね」
「だから、僕たちは僕たちの道を行くことにした。この決定には満足しているよ。マシンにはいい感触を得ているし、久しぶりの実戦に向けた準備も整っている」
当初は第4戦ツール・ド・コルスにも出場を予定していたオストベルグだが、テストを行えなかったこと、第1戦モンテカルロと同じサスペンションセットアップで挑まなければならなかったことが要因で、エントリーを取り消している。
「ツール・ド・コルスまでに充分なパーツが揃わなかった。だから、モンテカルロと同じサスペンションセットで走らなければいけない状況だったんだ」
「あまり歓迎したい事態ではなかったから、(参戦を取りやめる)決断には納得している」
「ラリー・アルゼンティーナに向けては、ポルトガルでもグラベル(未舗装路)テストを行っていて、いい感触を得ているよ」
こう語るオストベルグは、週末のラリー・アルゼンティーナでは表彰台争いを演じることを期待しているという。
「WRCトップ集団のペースを侮るつもりはない」とオストベルグ。
「トップレベルの争いに加わりたいと思っているけど、現実的な考えも必要だ。だから、表彰台を争うことができたら本当に最高だよ」
なお、オストベルグは第1子が誕生したこともあり、シーズン前半は参戦ラウンドを制限。しかし、今後はフォード・フィエスタR5で世界選手権に参戦する計画を立てているという。