ソニーは4月26日、同社が販売するパーソナルアロマディフューザー「アロマスティック」(希望小売価格税抜き8980円)の体験イベントを都内・ソニーシティ大崎で開催した。
アロマスティックは昨年10月に同社が発売した商品。手のひらサイズの円筒状の機器に専用のカートリッジを取り付け、好きな時に5種類の香りを楽しめる仕様になっている。
「for Basic」「for Beauty」「for Business」の3つのカートリッジに加え、先月新たに「for Freshness」が追加された。今回のイベントはこの新しい香りを知ってもらうためのものだ。
香りと呼吸で「新しいチャレンジに向かいたいという気持ちを喚起」
これまでも、アロマペンダントのように香りを持ち運べる器具はあったが、オイル漏れや香りの持続性などの難点があった。しかし、アロマスティックはこうした欠点を解消している上、面倒な用意も片付けも不要。オフィスで気分をリフレッシュしたいときなどに手軽に香りを楽しむことができる。
イベントでは始めに、アロマスティック開発者の藤田修二さんが「香りを能動的に使うことで、人の心を豊かに出来るのではないかと思った」と開発のきっかけを説明。参加者に
「今日のテーマは香りと呼吸。新しい『for Freshness』の香りを体験し、心の奥底に響かせて、新しいチャレンジに向かいたいという気持ちを喚起したり、シャキッとした気分になっていただければ」
と呼びかけた。
続いて、ヨガインストラクターの沖知子さん(株式会社BREATHTRANT・代表取締役)と藤田さんが、「呼吸で広がる可能性」と題してトークセッションを行った。
沖さんが
「呼吸には、普段しているような生きるための呼吸と、感じる呼吸の2つがあります。いい香りを嗅ぐと自然と深呼吸になりますよね。香りを見方に付けると、つい呼吸が浅くなりがちな人でも自然と深くなります」
と、香りと呼吸の親和性について語ると、藤田さんは「感じる呼吸、って表現いいですね。アロマスティックの本質も『感じる香り』だと思うんです。僕も実際に体験してみて分かったんですけれど、呼吸をすると、感じるんです。前に進む気持ちになれるというか、背筋がすっきりする」と頷いていた。
「日々のチャレンジを後押しする、すっきりした香りのカートリッジにしたいと思って作った」という「for Freshness」には、ペパーミントやベルガモットなど、清涼感のある香りが取り揃えられている。
購入者の半分は男性 「新しい気分転換方法を知ってもらえた」
イベントの後半では「for Freshness」の香りを用いた呼吸法を体験する。19人の参加者に、沖さんがゆったりした声で指導していく。
「細く長くリラックスしながら吐いて……心を落ち着かせていきます。ゆっくり吐ききったらアロマスティックを鼻に近づけて、大きく香りを吸って……吐く息でリラックス」
参加者の一人である20代の女性は、
「これまで呼吸と香りを一緒に意識したことはありませんでした。香りがあることで自然と深い呼吸をすることができ、自分の内側に意識を向けやすくなりました」
と感想を語っていた。
藤田さんによると、これまでアロマ市場は9割以上が女性をターゲットにしていたが、アロマスティックは購入者の半分程度が男性だという。
「これまで男性に知られていなかった『香りで気分転換する』という選択肢を提示できたのではと思います。ソニーは今までも、視覚、聴覚でエンターテイメントを提供してきました。嗅覚でも新しいエンターテイメントを提供できるのではと思っています。ウォークマンが男女問わず受け入れられ、新しいライフスタイルを作ったように、アロマスティックも『感じる香り』として老若男女に楽しんでもらいたいです」
人間は1兆種類の香りを嗅ぎ分けられるという研究報告もあるという。今後は、カートリッジのラインナップの展開も含め、ひとりひとりの好きな香り、感じる香りを提供できるよう注力していくそうだ。