トップへ

ラトバラ「事前テストでセットアップ改善に努めた」/WRC第5戦アルゼンティーナ事前コメント

2017年04月25日 20:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2017WRC第4戦ツール・ド・コルス ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
4月27~30日に行われるWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンティーナに向け、参戦するドライバーたちが意気込みを語った。

 3月に行われた第3戦メキシコ同様、グラベル(未舗装路)で争われるラリー・アルゼンティーナ。初秋を迎えたアルゼンチンで行われる1戦で、路面の特徴が日ごとに変化するほか、川渡りやジャンピングスポットなどもあるため、グラベルイベントの魅力と難しさが凝縮された1戦とも呼ばれる。

 イベントは27日夜にアルゼンチン中部のコルドバ市街地で行われるスーパーSSでスタート。このスーパーSSは今年からレイアウトが一新され、グラベルとターマック(舗装路)が入り混じった1.75kmの構成となる。

 翌28日はコルドバ南西部のサンタ・ロサ・デ・カラムチータ周辺でSS2~9が行われる。29日はコルドバ北西部でSS10~15が、最終日30日はコルドバ西部でSS16~18が行われる。

 ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとして設定される最終SS18『エル・コンドル』は、ラリー・アルゼンティーナを代表する名物ステージ。コースサイドなどには大きな岩があり、過去に多くのマシンがコースオフしてその餌食になっている。

 最上位クラスはMスポーツ、ヒュンダイが3台体制で参戦。シトロエンとトヨタは2台体制でのエントリーだ。プライベーターは、ロレンツォ・ベルテリと第4戦ツール・ド・コルスをスキップしたマッズ・オストベルグがフォード・フィエスタWRCでエントリーしている。

Mスポーツ/ヒュンダイ陣営のコメントはこちら
シトロエン/トヨタ陣営のコメントはこちら





■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・アルゼンティーナは、僕と(コドライバーの)ジュリアン(・イングラシア)がWRCで唯一勝てていないイベントで、毎年強い期待を持って臨む。今年も、その気持ちは変わらないけど、簡単には行かないだろう」

「競技初日は先頭走者を務めることになるから、ステージ以外にもチャンレンジングな要素が待ち受けている。路面コンディションも、今年は一度も経験したことのないものになるからね。同じグラベル(未舗装路)イベントとは言え、ラリー・メキシコとは、まったく違うキャラクターなんだ」

「メキシコと比べるとアルゼンチンのほうが、より軟らかく砂のような路面。ところどころ、荒れている箇所もある。勝利するためには速さと忍耐力のバランスが求められる」

「先週、ポルトガルで2日間の事前テストがあり、開発の方向が間違っていないことを確認できた。いい結果が手にできると期待しているよ」

●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)
「ふたたびグラベルラリーを戦えることを嬉しく思うけど、ラリー・アルゼンティーナでは、大きな挑戦が待ち構えている」

「(アルゼンティーナは)僕が得意とする高速イベントではなく、道幅を目一杯使ったアタックもできないんだ。道路脇にはいろいろな障害物があるからね」

「コース上に岩が隠れていることもあるから、つねに気を配る必要がある。いつリスクを取るべきか、しっかりと見極める必要があるんだ」

「これまで、アルゼンティーナでは運に恵まれなかった。ただ、僕たち自身に改善すべき点もあったから、今年は成長していることを証明したい」

「先週の事前テストではいい感触を得られた。ハンドリングの改善に取り組んで、より快適にドライブすることができるようになったよ。好成績を残せるチャンスがあると思うから、戦うのが楽しみだ」

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・アルゼンティーナには特別な思い出がある。またグラベルラリーに戻ることを楽しく思う。今のところ、今シーズンは運に恵まれていないけど、次のラリーで流れが変わると信じているよ」

「アルゼンティーナ自体は、いつも楽しみながら戦っているけれど、慎重な姿勢を忘れてはならない。毎日異なる路面コンディションに立ち向かう必要がある上、ミスをする余裕はほとんどないからね」

「クリーンな走りを心掛けて、ミスを最小限に抑えることが重要なんだ」

■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「(優勝した第4戦)ツール・ド・コルスでの記憶が残っているから、この流れを維持したい。ラリー・アルゼンティーナで待ち受けているのは、コルシカ島とはまったく異なる挑戦だけど、選手権争いのためにもベストを尽くす」

「アルゼンティーナは、シーズン中もっともタフなイベントだと言える。僕のドライビングスタイルとはマッチしないコンディションで一層の注意が求められるんだ。これまで、しっかりとした速さを発揮できていないしね」

「ただ、今年のマシン(ヒュンダイi20クーペWRC)は、こういったコンディションでも快適に走らせられるという自信があるよ」

●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「(2016年のラリー・アルゼンティーナで優勝していて)いい思い出があるイベントに参加するとき、ポジティブな心境で挑むのは簡単だ」

「ラリー・アルゼンティーナが、どれだけタフなイベントか理解しているけれど、去年と同じ結果が出せたら最高だよ。一度イベントを制したら、連勝したいと思うのは当然だし、そうするべきだからだ」

「グラベルでの走行には好感触を持っているし、出走順もいい。アルゼンチンが僕にとって本当の“2017年開幕戦”になりそうだ」

●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)
「個人的に、アメリカ大陸での戦いは特別なんだ。路面は本当にラフだし、いつも多くの観客が集まる。雰囲気も素晴らしく、ステージを走っているときも声援を受けていると実感する。気持ちも高まるんだ」

「ラリー・アルゼンティーナはマシンとドライバーたちが一体にならないと結果が出ないから、文字通り全力を尽くす。(第4戦)ツール・ド・コルスは厳しい戦いだったけど、表彰台を獲得できた。アルゼンチンでは、いい週末を過ごしてトップ3を争いたいね」

■シトロエン/シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)
「アルゼンチンは初出場した時に3位表彰台を獲得して、2年前には初めての勝利を手にした場所で、いい思い出しかないよ。現場の雰囲気も素晴らしく、時に熱くなりすぎるくらい、ファンも熱狂してくれる」

「昨年は参戦しなかったけど、今年も好成績を残す自信がある。(同じグラベル戦の)ラリー・メキシコで勝利しているし、ツール・ド・コルスも(マシントラブルが起きるまで)いいペースだった」

「事前テストも上々だったから、強い自信を持って臨むよ。ただ、難しい戦いになることは間違いなく、何が待ち受けているか予想するのは困難だ」

●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「欧州圏外でのラリーを戦うのはこれが初めて。早く走りたくてたまらないよ! ラリー・アルゼンティーナは魅力的なステージも多く、アルゼンチンも素晴らしい国だと思っている」

「学ぶべきことも多いから、厳しい週末になることは分かっている。C3 WRCでグラベルを戦うのは初めてだし、新たなラリーに挑戦するのも久しぶりのことになる」

「最終的な結果は気にせず、一瞬一瞬を僕の糧にしていきたい」

■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「僕にとってアルゼンチンは、つねにいい気分で戦うことができるラリー。以前に優勝した経験があり、去年も土曜日の午後にトラブルでコースアウトするまでは、ラリーをリードしていたからね」

「金曜日と土曜日のコースは流れるような高速コーナーが多く、最終日の日曜日は低速でテクニカルなコーナーが連続し、さらに霧など悪天候に見舞われる可能性も高いトリッキーなコースなんだ。全体的には砂状の柔らかい道が多いけど、概ねタイヤのグリップレベルは安定している」

「(ラリー・アルゼンティーナに向けた)事前テストは有効で、いくつかの異なるセットアップを試すことができた。特に、(第3戦)メキシコではベストとはいえないフィーリングだったデファレンシャルに関しては、アルゼンチンに向けて入念にセッティング作業で改善に努めた」

●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)
「アルゼンチンは大好きなグラベルラリーのひとつで、楽しい思い出がたくさんある。久しぶりの出場がとても楽しみだ。アルゼンチンのコースはとにかく素晴らしいけど、SSだけでなくリエゾン(移動区間)でも情熱的に応援してくれるファンも素晴らしいんだ」

「アルゼンチンでもっとも予測しづらいのは天候。現地の天気予報を細かくチェックしているけど、晴れたり雨が降ったりと、天気はつねに変わっているようだ。例えばレッキ(コースの事前下見走行)の後に路面コンディションが変わると、かなり難しいラリーになる」

「とはいえ、状況に応じてクルマを微調整すればいいと思っているんだ。例えば、路面が泥状になったらクルマ(のサスペンションなど)を少し柔らかめのセッティングに変えるぐらいだね。何が起ころうと自然に、気負わないでドライブすることが大切だ。チームはとても良い状態にあるから、僕も一緒になって前に進みたいと思う」