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ベルガー「スーパーGTとの交流戦は魅力を感じる」としつつも、海外戦には消極的

2017年04月25日 20:12  AUTOSPORT web

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アウディのディーター・ガス、デュバル、ラスト、ロッケンフェラーと談笑するゲルハルト・ベルガー
2017年からDTMドイツツーリングカー選手権のプロモーター代表に就任したゲルハルト・ベルガーが、ホッケンハイムで行われたテストの際にDTMの海外進出、そしてスーパーGT500クラスとの交流戦について言及している。

 かつてフェラーリやマクラーレン、ベネトン等に所属し、F1で活躍したベルガーは、レーシングドライバー引退後BMWのモータースポーツディレクターやレッドブル/トロロッソに携わり、2012~14年にはFIAのシングルシーター・コミッティの委員長を務めてきた。

 そんなベルガーは、2017年からハンス-ベルナー・アウフレヒトに代わりDTMを運営するITR e.Vの代表に就任したが、ホッケンハイムでのテストの際に行われたプレスカンファレンスで、DTMのグローバル化について語っている。

「自分はBMWモータースポーツの代表を務めていたので、ワークスチームを海外へ持っていくという経験を多く重ねている。だからその大変さは十分理解している」と語ったベルガー。

「渡航先のレギュレーションを合わせるためのマシンの開発費用がいちばんのネックだし、機材や人員の費用、現地で必要とする経費など、どれだけ多額な金額が必要なのか十分承知しているだけに、DTMのグローバル化には非常に慎重にならざるを得ない」

 アウフレヒトの下でDTMは中国等でもレースを開催してきたが、ベルガーは「DTMは今までどおりドイツを中心としたヨーロッパのサーキットで開催されるツーリングカー選手権であるべきで、はっきりと言えることは中国や南米での開催は予定しない」と海外進出には消極的な姿勢を示している。

 ただ、ベルガーにとって前代表のアウフレヒトが推進してきたスーパーGT500クラスとの“クラス1”規定による交流戦は、慎重な状況のなかでも魅力的に感じているものだとしている。

「日本のスーパーGTはDTMとかなり似たレギュレーションで運営されており、車両規定の大きな差がないので、非常に魅力を感じているよ。もしも交流戦を行えるのならば、理想的なレースであることは間違いないね」

 ベルガーは今後のDTMについて「2012年にBMWが再参入して、3メーカーになってからはたがいを尊重しながら非常に協力し合って参戦しており、良好な状態だと思っている」と語った。

「現時点ではアウディ、BMW、メルセデスに次ぐ4メーカーの参入計画は見受けられないが、他の自動車メーカーがDTM参入に興味を持ってもらえるようなレース運営をしたいね」

 4月28日発売のオートスポーツNo.1455には、DTMとの今後やGT300に関するGTアソシエイション坂東正明代表の単独インタビューを掲載している。坂東代表は今後ベルガーと「1~2ヶ月の間に話し合いをもつつもり」と語っている。その進捗も注目だろう。

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