マクロミルは4月25日、「保育園問題」についての調査結果を発表した。調査対象は全国の保育士資格を持つ男女で、今年4月14日~15日に実施。300人(現職、退職者各150人)から回答を得た。
その結果、現職の保育士の約8割が「保育園で働き続けたい」と回答した一方で、退職した保育士で「また働きたい」と回答したのは約半数に落ち込むことがわかった。その理由には、保育士の低い賃金が挙げられる。
「労働時間と給与が見合っていない」「長く働いても上がらない」と不満
現職の150人に「保育園で働き続けたいか」を聞くと、78.7%が「働き続けたい」と回答した。「子供が好きだから」(79.7%)、「やりがいを感じるから」(54.2%)、「子どもの成長に携われるから」(54.2%)などの理由が上位に挙がる。
対して、過去に保育園で勤務し、現在は働いていない有保育士資格者150人に「今後保育園で働きたいと思うか」を聞くと、「働きたい」の回答は42%と、現職の約半分にまで落ち込む。背景には、保育士の給与水準の低さが見え隠れする。
「保育園を辞めた理由」を聞くと、1位が「給与」(47.3%)だった。詳細な理由には、「給与が安すぎる」「労働時間と給与が見合っていない」「長く働いても、給与があがらない」などの不満が挙がっている。
2位は「専業主婦(夫)になった」(45.3%)、3位には「労働時間・勤務時間」(34.7%)が続いた。
保育士が考える保育園問題 約9割が「保育士の給与水準が低い」と回答
「保育士・保育園を取り巻く話題」について聞くと、保育士が考える「保育園問題」の1位は「保育士の給与水準が低い」(93.7%)、2位は「保育園で乳幼児の死亡事故が起きることがある」(87%)、3位は「待機児童問題」(85%)だった。給与の低さが大きな問題だと捉える保育士が大多数を占めている。
現在、公務員・会社員として働いている保育士70人を対象に、「現在の働き方における理想の給与額と実際の給与額」を聞くと、理想の平均給与額は月に約28万円だった。しかし実際には月に約19万円であり、約9万円の差があることが明らかとなった。