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TOYOTA GAZOO Racing 2017年NASCAR第8戦ブリストル レースレポート

2017年04月25日 17:42  AUTOSPORT web

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トヨタ勢最上位の4位フィニッシュを果たしたマット・ケンゼス(#20)
2017年4月25日
プレスリリース
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第8戦ブリストル
3台の“トヨタ・カムリ”がトップ10フィニッシュ
首位を争ったM.トゥルーエクス・Jr.は終盤のペナルティで8位

 ハイバンクショートオーバル、ブリストルで行われたカップ・シリーズ第8戦は、降雨のために月曜日に順延されて開催。

 ペナルティから追い上げたマット・ケンゼスがトヨタ勢最上位の4位、首位を争ったマーティン・トゥルーエクス・Jr.は終盤のペナルティに泣き8位、デニー・ハムリンが10位と“トヨタ・カムリ”は3台がトップ10フィニッシュ。

 エクスフィニティ・シリーズではエリック・ジョーンズがペナルティからの追い上げで前戦に続く2連勝を飾った。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第8戦 Food City 500
開催日:4月24日

3台の“トヨタ・カムリ”がトップ10フィニッシュ
首位を争ったM.トゥルーエクス・Jr.は終盤のペナルティで8位

 4月24日(月)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第8戦「Food City 500」が開催された。

 NASCARは先週、今季唯一となる休息の週末を経て、ブリストルのハイバンクショートオーバルへ戻ってきた。1周0.533マイル(約860m)と、シリーズが開催される中では2番目に短いが、最大30度というハイバンクのコーナーで「世界最速のハーフマイル」とも呼ばれる難コース。

 1周のラップタイムはわずか15秒。コースを囲むすり鉢状の観客席は16万席以上を誇り、その中をレースカーの爆音が響き渡ることで「サンダー・バレー」の愛称も持つ。

 年2戦行われるブリストルで、トヨタ勢は過去8勝。うちカイル・ブッシュが4勝、マット・ケンゼスが2勝、デニー・ハムリンも1勝を挙げている。

 また、カイル・ブッシュにとっては、2010年に同一週末3カテゴリー制覇という偉業を成し遂げたコースでもある。

 21日(金)に予定されていた予選は降雨のためにキャンセル。グリッドはオーナーポイントによって決されることとなった。

 22日(土)の練習走行は行われたが、23日(日)も雨に見舞われ、レースは24日(月)に順延されて実施された。

 午後1時10分、0.533マイルショートオーバルを125周、125周、250周の3ステージ合計、500周(266.5マイル:約430km)で競われる決勝レースがスタート。

 ステージ1は3番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.が首位を追い、2位フィニッシュ。

 チームメイトの、ブリストルでのカップ戦は初となる20歳ルーキー、エリック・ジョーンズが3位、ハムリンが8位、カイル・ブッシュが10位でポイントを獲得した。

 ステージ2では、202周目に首位に立ったトゥルーエクス・Jr.が逃げ切り、今季最多となる5度目のステージ勝利。エリック・ジョーンズは6位、ハムリンが8位となった。

 ステージ3では、トゥルーエクス・Jr.が首位を争う後方で、ステージ2で壁にヒットし、順位を落としていたカイル・ブッシュが猛追を見せトップ10へ浮上。

 しかし、7位までポジションを上げた183周目、カイル・ブッシュは突然右前タイヤバーストに見舞われクラッシュ。レースを終えることとなってしまった。

 ここで各車ピットへ向かったが、同じくトップ10圏内まで浮上していたケンゼスがピットロードスピード違反で18位へと後退。

 前日のエクスフィニティ戦を制し、カップ・シリーズでも初のブリストル戦ながらレースの大半でトップ5圏内走行と健闘を見せていたエリック・ジョーンズも420周目にタイヤブローに見舞われクラッシュ。

 何とかピットクルーの修復でコースへは復帰したが大きく順位を落としてしまった。

 462周目、残り40周を切ったところでのイエローコーションで、ほとんどの車両がピットへ向かう中、ハムリンはピットに入らない作戦を採り2位へ浮上。

 それまで首位を追い、2位につけていたトゥルーエクス・Jr.はピットへ向かったが、痛恨のピットロードスピード違反。16位へポジションダウンを余儀なくされてしまった。

 ピットロードスピード違反でトップ10圏外へと落ちていたケンゼスは、終盤猛烈な追い上げを見せ、再スタート後も次々にライバルをパス。残り5周で4位へと浮上すると、更に前を攻めたが、それ以上のポジションアップはならず。4位でチェッカー。

 ケンゼスにとっては今季第2戦アトランタ以来となる、トップ5フィニッシュを果たした。

 116周に渡って首位を走行するなど、レースを通して首位を争ったトゥルーエクス・Jr.は、ペナルティでの後退から素晴らしい追い上げでトップ10圏内へ復帰し8位でフィニッシュ。今季5度目のトップ10フィニッシュで、ランキング3位の座を守った。
 最後のコーションでピットに入らないギャンブルに出たハムリンは、交換しなかったタイヤのためにポジションを落として行くこととなったが、トップ10は守ってチェッカー。“トヨタ・カムリ”勢は3台がトップ10フィニッシュを果たすこととなった。

 次戦第9戦は4月30日(日)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「ずいぶん久しぶりのトップ5フィニッシュが果たせて嬉しい。終盤は好調だったがコース上でのポジションがちょっと悪かった」

「予選がなかったので、とにかく今日は追い上げのレースを強いられた。そしてせっかく上位に浮上したのに、またピットロードスピード違反でポジションを落としてしまった」

「終盤の我々の“トヨタ・カムリ”は本当に好調だった。レースを通しては最高の仕上がりだったとは言えないが、終盤の2つのスティントでは競争力を発揮出来た」

「今季はここまで厳しいレースが続いているので、この勢いが次戦に続いてくれることを願っている」




NASCAR XFINITY SERIES
第7戦 Fitzgerald Glider Kits 300
開催日:4月22日

エリック・ジョーンズが2連勝!

 4月22日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第7戦「Fitzgerald Glider Kits 300」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。

 同シリーズのブリストル戦では、トヨタは過去9勝。うちカイル・ブッシュが7勝を挙げているが、カイル・ブッシュは今大会は出場せず。

 昨年の春のブリストル戦を制し、今季はカップ・シリーズにフル参戦している20歳のエリック・ジョーンズと、昨年のシリーズチャンピオンで、同じくカップ・シリーズに今季よりステップアップしたダニエル・スアレツの2名がスポット参戦した。

 22日(土)午後1時4分に0.533マイルショートオーバルを、85周、85周、130周の3ステージ合計300周(159.9マイル:約260km)して競われる決勝レースがスタート。

 2列目4番手スタートのエリック・ジョーンズは序盤から快調に順位を上げ、19周目に首位に浮上。10番手スタートのスアレツもトップ5へとポジションアップを果たした。

 ステージ1はイエローコーションが出ないまま推移し、1周が短いこともあって多くの車両が周回遅れに。

 ステージ終盤の80周目にクラッシュ車両によりこの日初めてのイエローコーションが出されたが、その時点で首位と同一周回はわずか8台。ステージ1はそのままの順位で終了することとなり、エリック・ジョーンズが3位、スアレツが5位となった。

 ステージ2は2位に浮上したスアレツが激しく首位を追う展開となったが、ステージ終盤の160周目に雨が降り始め、レースは赤旗中断に。1時間半ほどの中断の後に天候は回復し、レース再開。

 再開後のイエローコーションを経て、残り2周でステージ2の再スタートが切られたが、ステージ3を見越したピット戦略の違いにより、スアレツが3位、エリック・ジョーンズは11位でステージを終えた。

 ステージ3もスタート直後からスアレツが首位争いを展開。エリック・ジョーンズもポジションを上げてこれに加わった。

 しかし、230周目に出されたイエローコーション時、ピットへ向かったエリック・ジョーンズはピットロードスピード違反を取られてしまった。

 3位から15位へと大きくポジションダウンを余儀なくされたエリック・ジョーンズだったが、猛烈な追い上げを開始し、280周目には首位を奪還。

 291周目に発生したクラッシュにより、レースは最後の3周での再スタートとなったが、エリック・ジョーンズはこの再スタートでも首位を守り、トップチェッカー。前戦テキサスに続きシリーズ2連勝。

 同シリーズのブリストル戦では、昨年に続く春大会2連覇を達成した。レースを通し上位を争ったスアレツが3位に入った。

 次戦第8戦は4月29日(土)、リッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「本当にハードなレースだった。最後まで厳しい追い上げを受けたがトップを守ることが出来た」

「ペナルティを受けたときは勝てるかどうか分からなかった。そこから逆転出来たことで、ずっと忘れられないレースになるだろう」

「2連勝出来たのはチームのハードワークのおかげだ。最後は路面温度が下がっていくなかで徐々に調子を取り戻し、勝てた。ヴィクトリーレーンに立つことが出来て本当に最高の一日だ」