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ニスモ、ニッサンGT-RニスモGT3のエボモデルを初公開。すでにシェイクダウンも完了

2017年04月25日 10:53  AUTOSPORT web

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富士でシェイクダウンされたニッサンGT-RニスモGT3のエボルーションモデル。Vモーショングリルが採用された。
ニッサン/ニスモは4月25日、世界中のGT3カーレースで活用されるニッサンGT-RニスモGT3の2018年型となる『エボルーションモデル』の写真を公開した。すでに富士スピードウェイでテストも完了しており、600kmの走行を終えているという。

 ニッサンGT-RニスモGT3は、市販のR35 GT-Rをベースに2012年に発表され、現行タイプは2015年にブランパン耐久シリーズやスーパーGT300クラスでチャンピオンを獲得するなど、世界的に大活躍をみせてきた。

 4月25日に公開された“MY2018”となるニッサンGT-RニスモGT3『エボルーションモデル』は、カーボンブラックにレッドのラインが入り、ニスモとグローバルなパートナーとなっているモチュールのロゴが入れられる。特に目を引くのはグリルで、市販のニッサンGT-R同様にVモーショングリルが採用されたほか、随所に市販車と共通する改変が加えられている。

 また、ボンネットのエアアウトレット形状も変更されているほか、フロントフェンダーにはアウトレットのフィンが追加。さらにユニークなのは牽引フック位置で、ボンネット横から上に突き出すような形で配置されている。

 さらに、エキゾーストが収められたサイドステップ部分もこれまでとは形状が異なるなど、細かな変化が多く見られる。また、近年のGT3カーは車両内部が大きく変化していることも多く、ニッサンGT-RニスモGT3も大きな改変を受けている可能性が高い。

 すでにこのニッサンGT-RニスモGT3・エボルーションモデルは、スーパーGT第1戦岡山後の4月11日、富士スピードウェイでシェイクダウンされており、開発ドライバーの柳田真孝とミハエル・クルム、さらに今季B-MAX NDDP GT-Rをドライブする高星明誠がドライブした。

「まだ何もセットアップしていない、走りはじめの素の状態で、コーナリング中にフロントが素直に入ってくれる良いフィーリングだったので、とても驚いたと同時にポテシャルの高さを感じました」と語るのは柳田。

「まだ動きにピーキーなところがあり、扱いにくい部分もあるので、良い部分を引き伸ばしながらも、ロードカーと同じように誰でも速く走らせる事のできるマシンに仕上げていきたいと思います」

 また、クルムも「開発初期段階にもかかわらずシステムがきちんと作動し、車両としてのポテンシャルも高く、とても満足している。この車両は、ドライビングスタイルの異なるさまざまなドライバーが世界各地で運転することになるので、クルマを安全に、そして速く走らせることができるようにしていきたいと思う」と語った。

 エボルーションモデルは2日間に渡る富士のテストで、600kmを走行。初期トラブルはあったものの大きな不具合はなく、ドライバーをはじめチームも好感触を得て1回目のテストを終えたという。今後、デリバリーに向け日本やヨーロッパで走行が重ねられていくことになる。