マクラーレン・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のマクラーレン・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回は第2戦中国GP、第3戦バーレーンGPを、ふたつの視点でジャッジ。
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中国&バーレーンGPのホンダは、技術的にはポジティブな要素はまったくなかったグランプリだった。特にバーレーンGPは週末だけでストフェル・バンドーンが3基、フェルナンド・アロンソも1基のMGU-Hにトラブルを発生させるという厳しいグランプリとなった。
ホンダはテストでも問題を発生させているが、テストは信頼性の確認を実走で行うためにあるものなので、そのときは長谷川祐介ホンダF1総責任者もそれほど深刻な表情ではなかった。しかし、バーレーンで同じパーツが同じように突然、次々と壊れだしたときは「情けない状況です」と神妙な面持ちだった。
レース2日後に同じバーレーンで行われたテスト初日でも、ホンダのMGU-Hは同じトラブルに見舞われた。しかし、テスト2日目は一転、トラブルフリーで81周を走破。ベストタイムでもバンドーンが10チーム中、4番手となる1分32秒108というタイムで締めくくっている。このタイムは4日前のバーレーンGP予選で自らが記録した1分32秒313を1秒も上回る好タイムだった。
ただし、MGU-Hが連続してトラブルを引き起こした原因はいまだ発表されていない。マクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)も「ホンダは弱点がどこにあるのかを理解しようと全力でこの問題に取り組んでいる」と語っている。
だが、ホンダのチーフエンジニアを務める中村聡は、2日目にトラブルが起きなかった理由を次のように述べている。
「バーレーンGP週末にMGU-Hのトラブルに見舞われた後、われわれはこのテストまでの短期間で問題を分析しようと努力を重ねてきました。この分析に基づき、パワーユニットに対して暫定的な対応策を実装したところ、2日目の走行では改善されたことが確認できました。同時にこれは信頼性の改善だけでなく、ドライバビリティの向上とバイブレーション減少にも貢献しています。さらにテストではPUのセットアップに関しても前進が見られました」
つまり、テスト2日目にトラブルが起きなかったのは、単なる偶然ではなく、ホンダがなんらかの対処を行ったからだった。それがトラブルの原因かどうかは別の話だが、なんらかのヒントをつかんだことは間違いないだろう。
辛口編はF1速報WEBで連載中
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