ホンダモーターヨーロッパは4月24日、2017年夏に世界各国での販売を予定している新型シビック・タイプRが、ニュルブルクリンク北コースでFF車として最速の7分43秒8で周回したと発表した。
10代目となる新型シビック・タイプRは、ハッチバックモデルとともにプロトタイプが2016年のパリショーで公開され、その後日本やアメリカ等でも展示。今年3月のジュネーブショーでは量産モデルのヨーロッパ仕様も公開されている。
サーキットでの走行性能に加えて、一般公道でのグランドツアラー性能を大幅に進化させた“次世代のタイプR”を目指し開発された新型は、パワートレインにさらに進化させた2リッターVTECターボを搭載。先代をしのぐ最高出力320馬力と最大トルク400N・mを達成している。
また、新たに搭載される6速マニュアルトランスミッションは、ギアレシオが見直されたことでマシンの加速改善に貢献。空力面も見直され、高速走行時の安定性なども改善されている。
今年夏の量産に向け、ホンダは開発テストの最終段階として、ニュルブルクリンクの北コース“ノルドシュライフェ”に新型シビック・タイプRのテスト車を持ち込んだ。
このタイムアタックで新型シビック・タイプRは、先代モデルが記録したラップレコードを7秒近く塗り替える7分43秒8を記録。そのポテンシャルの高さを発揮した。
■レコード更新の要因は「コーナリングスピードの改善」
新型シビック・タイプRのシャシー研究を担当する木島龍一氏は、ノルドシュライフェでのレコード更新は、新型車両が従来モデルからあらゆる点で大きな進化を遂げている結果だと語った。
「新型シビック・タイプRは、従来モデルから車体やタイヤがワイドになっていますし、ホイールベースも延伸されています。リヤの新型サスペンションやエアロダイナミクスの見直しなども加わり、コーナリングスピードが向上しました」と木島氏。
「例えば中速コーナーのメッツゲスフェルトには、これまで時速150キロ前後で進入していました」
「しかし、高い安定性を誇る新型シビック・タイプRは、このコーナーでも時速10キロ程度のスピードアップを果たしています」
「こうしたコーナリングスピードの改善が、ノルドシュライフェのレコード更新につながりました」
なお、このシビック・タイプRはハッチバックとともにホンダUKで生産され、欧州各国や北米、日本などへ輸出される。