マクラーレン・オートスポーツBRDC賞を受賞したランド・ノリスは、若手育成プログラム加入についてはメルセデス、レッドブル、ルノーとも話し合いを持っていたという。
カートで世界チャンピオン獲得経験のあるノリスは、シングルシーター移行直後の2シーズンでMSAフォーミュラ、フォーミュラ・ルノー2.0、フォーミュラ・ルノー2.0NEC、トヨタ・レーシング・シリーズを制し4つのタイトルを手にしている。
昨年12月にはマクラーレン・オートスポーツBRDC賞を受賞し、その記念としてF1テストやフィットネス・プログラムへの参加、報酬を得てのシミュレーター搭乗権が与えられた。また、今年2月にはマクラーレンにジュニアドライバーとして加入している。
今季カーリンからF3ヨーロッパ選手権へとステップアップし、シルバーストンでの開幕戦レース1で優勝した17歳のノリスは、昨年は他のF1チームからも接触があったことを明かした。
「他にもレッドブル、ルノー、メルセデスといったチームと話し合いを持った。ジュニアプログラムに加入したいと強く思っていたわけではなく、彼らがどんなオファーをしてくれるか、将来的にどんな機会を与えてくれるかが知りたかったんだ」
「そういった意味では、マクラーレンは圧倒的に良かった。他が悪かったと言いたいわけではなくて、マクラーレンはイギリスに拠点があることが大きなメリットだったし、将来的なチャンスも多かった」
「ホンダが他チームにも(パワーユニットを)供給するのであれば、(チャンスは)もっと期待できるかもしれない」
マクラーレンは近年、ジュニアドライバーだったケビン・マグヌッセンやストフェル・バンドーンをF1へと昇格させている。ノリスはF2ドライバーであるニック・デ・ブリズや、ホンダとのパートナーシップを通して加入した松下信治らとともにプログラムに参加する。
若手育成に熱心なレッドブルと、マクラーレンとのオファーの違いについて聞かれると、ノリスは次のように答えた。
「レッドブルでは、ドライバー自身が先のことをコントロールできないみたいだった。誰がどこで何をするかを決める際には、ヘルムート・マルコが大きな役割を果たす」
「彼らは2チームで(F1に)参戦しているけれど、自分が次世代の(マックス)フェルスタッペンでもないかぎり、いきなりレッドブルのシートを得ることはできない。若手ドライバーをF1に昇格させるという確率では、マクラーレンは最高だ。彼らはシミュレーターや身体トレーニング、エンジニアとの交流といったプログラムを、若手のために用意してくれる」
「他のチームでは、そういった交流の機会は少なそうだった。『育成ドライバー』という名前はあるものの、それ以上でもそれ以下でもない。マクラーレンはもっと多くを提供してくれるし、F1に出場するチャンスがあったときには、ドライバーを信じてくれる」
ノリスはシルバーストンで行われたF3ヨーロッパ選手権のレース3でも表彰台を獲得し、現在ランキング3位につけている。