2017年04月24日 15:43 弁護士ドットコム
フリマアプリ「メルカリ」で現金が出品されていると話題になっている。たとえば、1万円札10枚を「13万5000円」で販売するといった形式だ。「なぜ、本来の価値より高い金額で?」と疑問に思ってしまうが、急ぎで現金が必要な人たちがクレジットカードなどで、購入しているとみられる。つまり、事実上の借金の手段として機能している可能性がある。
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メルカリは4月24日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「現在発行されている銀行券・貨幣の出品は、マネー・ロンダリングを目的とした行為に該当する」として、順次取り締まりを始めたことを明かした。
メルカリへの現金出品がツイッターで話題になったのは、4月22日ごろから。トゥギャッターにまとめられると、「闇が深い」などの感想が相次ぎ、24日時点で50万を超えるアクセス数を記録している。具体的には、1万円札4枚が「5万600円」といった風に複数の1万円札が出品されており、中には、「SOLD」状態になっているものも確認できる。
出品額は一般のサラ金などと比較してどうなのだろうか。大手金融機関の金利シミュレーターで計算してみた。「法定金利の上限、12カ月払い」で設定したところ、10万円の場合の返済額は11万11円(年率18%)、3万円なら3万3344円(年率20%)だった。一方、メルカリでは1万円札10枚が13万5000円、3枚が3万5800円などの出品が確認できる。出品額は、サラ金で借りるよりも高額と言えそうだ。言い換えれば、利用者はサラ金でも借りられない多重債務者など事情を抱える人の可能性がある。
なお、メルカリによると、出品料は無料で、売上の10%が販売手数料としてかかる。また、売上金を引き出す際、1万円以下の場合のみ振込手数料210円がかかる。
旧紙幣や記念硬貨の売買をイメージすれば分かるように、紙幣・硬貨の売買自体は禁じられていない。販売の可否は、オークションサイトの方針に委ねられている。
メルカリによると、同社では利用規約上、マネー・ロンダリングを目的とした行為を禁止しており、これまでも削除対象としてきた。ネットで話題になったことを受けて、4月22日からは、「現在発行されている銀行券・貨幣」の出品についても、マネー・ロンダリングを目的とした行為に該当すると判断。すでに出品されているものも含め、取り締まりを進めているという。一方で、希少価値の高い硬貨・紙幣などの出品は制限しない。
メルカリへの出品は、24時間体制で、監視ツールやカスタマーサポートメンバーで監視されている。今後は、監視強化により、禁止出品物に該当しないか個別に判断するという。
(弁護士ドットコムニュース)