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「僕もびっくりしましたよ」とアロンソ参戦に驚く琢磨。インディ第3戦はブレーキトラブルが襲うもTOP10入り

2017年04月24日 12:02  AUTOSPORT web

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インディカー第3戦もマシントラブルに見舞われる厳しいレースとなった佐藤琢磨
前戦ロングビーチのレースの後に、フェルナンド・アロンソのインディ500出場の電撃発表があり、大いに盛り上がっているインディカー・シリーズ。しかもアロンソが合流するチームが佐藤琢磨と同じアンドレッティ・オートスポートであるから興味は尽きない。

 週末のスケジュールが始まる前に琢磨に話を聞くと「僕もびっくりしましたよ(笑)。でも彼のインディ500挑戦は歓迎しますし、僕も出来るだけの協力はするつもりです」

「すでにいろいろと細かいことが動き出していますし、僕もアンドレッティに来てから初めての500になりますから楽しみにしています」と喜んでチームに迎え入れ、共にブリックヤードで戦うのを楽しみにしている様子だった。充実した「マンス・オブ・メイ」(Month of May)を迎えるためにも、アラバマ、フェニックスの2週連続のレースで好結果を残したいところだ。

■アンドレッティ・オートスポートを悩ますマシントラブル
 しかし、開幕戦から琢磨とチームを悩ましているブレーキトラブルが、この第3戦アラバマでも再発する。午前のプラクティスは上がりすぎた気温と路面にうまくアジャスト出来ず後方に沈み、午後のプラクティスはブレーキトラブルでタイムを失った。

 土曜の予選を迎えるにあたり、ブレーキを総取っ替えしたという琢磨。悪さをしているブレーキパーツを確定できず、前後のブレーキをすべて替えた。土曜午前のプラクティスではペースが戻りつつあったが、16番手とまだ完全な復調とは言える状態ではなかった。

 そんな中で迎えた予選では、ペンスキー勢やチップ・ガナッシのディクソンなどが集まるグループ2に入ってしまう不運。こればかりはFP3の結果であるから、仕方のないもののQ1終了間際にセバスチャン・ブルデーに、0.0641秒差で逆転されQ2進出を逃し、さすがの琢磨も悔しそうだった。

■スタートでジャンプアップ
 土曜の夜から日曜の朝まで雨が降ったアラバマ。路面のコンディションも変わり、朝のウォームアップもウエットの状態だったが、決勝スタート前には完全なドライコンディションに戻った。


 今週もっとも琢磨らしい瞬間を見せたのは、スタートだった。14番手グリッドからターン1~2、そして3と続くところでジャンプアップ。ヘアピンでも一台かわし、10番手までポジションを上げた。その後チームメイトのハンター-レイがフロントウイング破損で脱落し9番手に上がる。

 だがスタートで履いたソフトのレッドタイヤが、予想以上に早く音を上げ、ペースが落ち始める。真後ろのブルデーは今にも追突しそうなところまで追い上げてきた。

 ピットに入りブラックタイヤに交換したが、ピットアウト後にピゴットの後ろとなり、彼を追いながらポジションを上げた。

 その最中にまたもやブレーキトラブルが発生。右リヤのブレーキが効かなくなった状態でレースを続ける羽目になった。


「ブレーキを踏むとマシンが横を向くような状態で厳しかった。そのせいでタイヤにもフラットスポットができたと思います」と悪戦苦闘しながらも粘りの走りを見せ、残り15周でウイル・パワーが想定外のピットインをすると9位に浮上し、チームメイトのハンターレイを従えるような形でチェッカーを受けた。

 開幕から3戦で2度目のトップ10フィニッシュ。ランキングも8位まで挽回した。

「厳しいレースでしたけど、無事にトップ10内でフィニッシュ出来て良かったですね。金曜日の出だしを考えると、レースの最後にはスピードも戻ってきていたし、次のロードコースはインディGPですが、良いレースにしたいと思います。来週はフェニックス、ここでもしっかり完走したいですね」と琢磨は言う。

 いわばアロンソフィーバーに沸くインディだが、今日のレースを終始見ていたアロンソ当人はどんな感想を持ったのだろう?