アラバマ州バーバー・モータースポーツパークで開催されたインディカー・シリーズ第3戦。23日に行われた決勝レースは、ジョセフ・ニューガーデンがチーム・ペンスキー移籍後初勝利を飾った。佐藤琢磨は(アンドレッティ・オートスポート)は、14番手スタートから粘りの走りを見せ、9位入賞を果たした。
開幕2戦ではホンダ勢が優勢で連勝を記録した。しかし、予選はどちらもシボレーユーザーがポールポジションを獲得し、今シーズン最初の常設ロードコースでもシボレー勢が優位にあった。
予選ファイナルに進んだ6人はホンダ、シボレー共に3人だったが、ペンスキー軍団、つまりはシボレー勢がトップ3ポジションを独占。PPは開幕戦に続いてウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のものとなった。
ホンダ勢最上位の予選4番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)。5番手にジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)、6番手にライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が続いた。
迎えた決勝レースでもパワーがトップを守り続けた。彼は勝利に向かってひた走っていたが、90周のレースが75周を超えたところでタイヤトラブルに見舞われ、ピットに向かった。目前の勝利を手放し、14位でゴールするしかなかった。
パワーが消えて優勝争いはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とディクソンの一騎打ちになった。予選はファイナルに進めずの7番手だったニューガーデンだが、2年前にキャリア初勝利を飾ったコースで彼はイキイキとした走りを見せ、最初のピットストップを終えた時点で優勝争いに食い込むことに成功した。
最後のピットストップでディクソンの先行を許した時には、3位フィニッシュを受け入れるしかないと思われた。しかし、ディクソンがラインを外れるミスを見逃さずにパスし返すと、そこからはプッシュ・トゥ・パスを乱用してポジションをキープ。
燃費が心配される展開ともなったが、2番手を守り、パワーが目の前からピットロードへ向かうとトップに躍り出た。
その後はディクソンのアタックが続いた。燃費に余裕があるのか、プッシュ・トゥ・パスを何周も続けて使いトップを狙ったディクソンだったが、ニューガーデンはそれらを跳ね返し続けた。
そして最終ラップにはプッシュ・トゥ・パスを使って逆にリードを広げ、1秒の差をつけてゴールへと飛び込んだ。
「優勝できて嬉しい。クルーはハードワークを続け、4台のチームワークも素晴らしい。シボレーエンジンの燃費も良かった。ウィルと僕、そしてディクソンの3人で激しい優勝争いがゴールまで続くと考えていたが、突然僕とディクソンだけによる戦いに変わった」
「今日は何もかもが僕たちにとってうまくいき、勝利を掴んだ。この勢いを保って今後のレースを戦っていきたい」とニューガーデンは語った。
3位はシモン・パジェノー。4位はエリオ・カストロネベス。不運に見舞われたパワー以外はペンスキーの3人がトップ5に食い込んだ。
佐藤琢磨は予選14番手から9位でフィニッシュした。ラップタイムがよくない中、しぶとい走りを続けてトップ10入り。開幕戦の5位に続き、早くも2回目のトップ10フィニッシュだ。
「スタートで 2台をパスした後、ペースが上がらず苦しい戦いになっていました。ブレーキにトラブルが出ていたからでした。マシンのセッティングはピットストップでのウイングのアジャストなどでよくしていくことができていました」
「しかし、僕らのロードコース用セッティングは完全じゃなかったとも思います。そうしたレースで9位を拾えたのは大きいですね。ポイントを稼げました」と琢磨は話した。