マルク・マルケス マルケスが今季初優勝に向けて、2度目のPPを獲得
天候:曇り
気温:19℃
コースコンディション:ドライ
MotoGP レポート
アメリカズGPの予選は、終日、厚い雲が空を覆う肌寒い一日となりました。最高気温は19℃。金曜日より約10℃も低い最高気温となり、午前中のフリー走行はさらに低い16℃という難しいコンディションとなって、転倒者の多い一日となりました。
ポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、午前中のFP3で2回の転倒を喫しました。1回目の転倒は左高速コーナーの18コーナーで、バンプに乗り上げてフロントから転倒。ピットに戻り再スタートしますが、今度は低い路面温度と温まりきっていないタイヤの影響で、波乱のセッションとなりました。結果、総合2位でQ2に進出しました。
マルケスは、その後に行われたFP4では落ち着いた走りを取り戻し、快調に連続周回をこなしてトップタイムをマーク。本来のリズムを取り戻し、Q2でもトップタイムをマークして5年連続となるPPを獲得しました。決勝では、今季初優勝と5年連続の優勝を目指します。
チームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も順調にセットアップを進めました。午前中のFP3では2番手タイムをマーク。総合3位に浮上してQ2進出を決めると、その後のFP4でもマルケスに続いて2番手タイムをマーク。そしてQ2では4番手と、わずかの差でフロントローを逃しました。今大会は連続周回のアベレージもよく、決勝では今季初表彰台と優勝が期待されます。今大会は、マルケスとともにRepsol Honda Teamとしては3年ぶりの1-2フィニッシュに挑みます。
カル・クラッチロー(LCR Honda)は、フリー走行で総合5番手につけてQ2進出を果たします。FP4でも5番手タイムをマークし、Q2では2戦連続のフロントロー獲得に挑みましたが、最後のアタックで転倒を喫し、9番グリッドとなりました。3列目からのスタートとなりますが、仕上がりはよく、2戦連続の表彰台獲得が期待されます。
フリー走行で総合11番手と、惜しくも直接Q2へ進出することができなかったジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、総合11番手以下の選手で争われれるQ1でトップタイムをマークしてQ2へ。Q2では新品タイヤを使えないままプッシュして転倒してしまいましたが、それでも今季ベストの12番グリッドを獲得し、3戦連続のシングルフィニッシュを目指します。ミラーのチームメートであるティト・ラバトも、着実にセットアップを進め、今季ベストの16番グリッドから追い上げのレースに挑みます。
MotoGP コメント
マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「今日のポールポジションはとてもうれしいです。正直、このような結果は難しいと思っていました。実際、このサーキットが自分のライディングスタイルに合うとわかっていても、今週末は少し苦戦していました。僕たちのライバルは、新品タイヤではとても強いことはわかっていたので、決勝を見据えながら予選に臨み、いい感触を得ました。予選の最終ラップでは全力を出し、ポールポジションを獲得できました。チームの仕事にとても満足しています。レースウイークを通してマシンの各部分を調整し、少しずつ自信もついてきました。午後はいいペースを維持することだけに集中し、それがうまくいきました。FP4ではいい仕事ができました。ユーズドタイヤでとてもいい感触を得られたので、明日何ができるのか、様子を見たいと思います」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)
「4番手は悪くない結果です。3番手を獲得できたかもしれませんが、4番グリッドからのスタートに不安はありません。今日は昨日より気温が低く、難しい路面コンディションになりました。転倒も多かったので、午前中は落ち着いて走りました。午後のFP4はペースが明らかによくなりました。最後に1コーナーで転倒しましたが、幸い大したことはありませんでした。予選では全力を尽くしましたが、フロントのチャタリングに苦戦し、それほどタイムを上げられませんでした。明日はこの問題を解決して、レースではベストを尽くします」
カル・クラッチロー(MotoGP 9番手)
「フロントローを獲得できるかも知れない状況だったので、9番手に終わったのはとても残念です。1速で回るコーナーでかなり挙動が出ていて、そのためにミスをし、転倒してしまいました。その周回はいいタイムを刻んでいたので、とても残念です。明日はゼロからスタートしなければなりません。アグレッシブに走ることはもちろん、忍耐強く長いレースを戦わなければなりません。今の時点ではまだどのタイヤにするかは決まっていませんが、いいポジションでフィニッシュできることを願っています」
ジャック・ミラー(MotoGP 12番手)
「十分に新品タイヤが残っていなかったので、Q2が難しいことはわかっていました。そして気温も路面温度も低いコンディションで転倒してしまいました。1コーナーではらんでしまい、完全にラインから外れました。そのまま2コーナーへ進んだのですが、そこでフロントから転倒してしまいました。ゆっくりとした奇妙な転倒でした。でもレースに向けて自分のペースには満足しています。過去2戦は、12番手よりももっと悪いポジションでしたが、トップ10に入ることができました。このサーキットではいい感触があります。決勝が楽しみです」
ティト・ラバト(MotoGP 16番手)
「今日は気温が下がり、午前中のFP3でも、とてもいい仕事ができましたし、かなり進展がありました。しかし、午後の予選でタイムを落してしまいました。コース上でほかのライダーを待っていた僕のミスです。一人で走って自信を持つべきだということはわかっているのですが、1周が長いサーキットでは簡単なことではありません。でもレースのセットアップには満足しています。またポイント圏内でフィニッシュしたいです」
モルビデリがトップタイムをマーク
中上が4番手で予選を終える
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Moto2 レポート
Moto2クラスは、開幕から2連勝と好調な走りを見せるフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が2戦ぶり、今季2度目のポールポジション(PP)を獲得しました。2番手にはモルビデリをピタリとマークしてタイムを出したマティア・パシーニ(Italtrans Racing Team)、3番手にはフリー走行でトップタイムをマークしたアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)と続きました。フロントローに並んだ3選手が、4番手以下にやや大きなリードを築きました。決勝でもこの3選手がレースの主導権を握ることが予想されます。
初日10番手の中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)がタイムもポジションも上げて、2列目4番グリッドを獲得しました。初日は異なるセットアップにトライしてやや出遅れましたが、2日目は本来のリズムを取り戻し、快調にラップを刻みました。決勝では今季2度目の表彰台と初優勝に挑みます。5番手のトーマス・ルティ(CarXpert Interwetten)は、3戦連続表彰台と今季初優勝に挑みます。6番手のドミニク・エガーター(Kiefer Racing)は今季のベストグリッドを獲得しました。
3列目には、2戦連続表彰台を狙うミゲル・オリベイラ(Red Bull KTM Ajo)、今季のベストグリッドを獲得したザビエル・シメオン(Tasca Racing Scuderia Moto2)、サンドロ・コルテセ(Dynavolt Intact GP)と続き、ここまでがトップから1秒差の選手たちで、決勝では相変わらず厳しい戦いが予想されます。
長島哲太(Teluru SAG Team)は、フリー走行で総合17番手。予選ではタイムを更新しましたが、トップから1.972秒差の27番手となりました。決勝では追い上げレのレースに挑みます。
Moto2 コメント
フランコ・モルビデリ(Moto2 ポールポジション)
「昨年はこのサーキットでとても苦戦しましたが、今年はこうしてポールポジションを獲得できてうれしいです。僕たちのマシンは、すべてのサーキットでパフォーマンスが高いことを証明できました。チームには本当に感謝しています。レースに向けて自分のペースには満足しています。ポールポジションを獲得できたのはうれしいボーナスでした。僕はマシンのパフォーマンスを発揮して、少しでもタイムを縮めようとしただけでしたが、それがうまくいきました。明日のレースはまた難しい挑戦になります。なぜならチームメートのアレックスもすべてのセッションでとても強さがあるからです。優勝争いに向けて準備は完全に整っています。アメリカのファンのためにいいショーが見せられることを願っています。彼らはいつも本当に熱狂的で、僕たちの力になります」
アレックス・マルケス(Moto2 3番手)
「フロントローを獲得できてうれしいです。1コーナーがとてもタイトなので、このサーキットでは、フロントローの獲得がとても重要です。プラクティスでトップタイムを出せたときはとても自信がありました。それだけに、Moto2初のポールポジションを獲得できなかったのは残念でした。最終コーナーの転倒は小さなミスでした。プッシュしているときにこういうことが起きます。レースウイークを通していい仕事ができました。優勝争いをする自信があります。明日は僕の21歳の誕生日です。自分の誕生日をいい形で祝うためにも、チームのためにも表彰台に上りたいです。それを実現できるようにベストを尽くします」
中上貴晶(Moto2 4番手)
「風邪はかなり回復してきました。まだ鼻声ですが、走りには影響がない状態までになり、フリー走行、予選と4番手でした。今日はミスも多く、しっかり一周をまとめたという感じはしないのですが、それでも勝負できるグリッドを獲得したので、明日は勝負したいです。昨年はトップが2分8秒台。自分も9秒前半でした。そういう点では、今年は9秒後半で自己ベストには届きませんでしたが、このコンディションで9秒台に入れられて良かったと思います。長いコースなので、自分にアドバンテージのあるところ、そうでないところもしっかり把握しています。明日はタイヤをしっかりセーブしながら終盤に勝負できるレースをしたいです」
トーマス・ルティ(Moto2 5番手)
「心配していた右腕は完ぺきではありませんが、思ったほどの影響はありませんでした。オフシーズンのトレーニングが効果的だったのだと思います。今大会の課題は、コース前半で理想的なラインを取れず、タイムをロスしていることです。しかし、ユーズドタイヤのペースはそれほど悪くないし、いいレースをする自信があります。マシンのバランスもまずまずです。明日も雨が降らず、ドライコンディションでレースができることを願っています」
長島哲太(Moto2 27番手)
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズは一周が長く、コーナーの数も多いので、今日はうまくまとめられませんでした。セクターごとのベストタイムをつなげれば、もう少し順位はいいと思うのですが、単独ではタイムをまとめることができませんでした。フリー走行のベストを更新できたし、着実に前進できたと思います。しかし、カタール、アルゼンチンと比べると、今回は本当に難しい大会になっています。課題も多く、決勝では、その課題を1つでも解消したいです。とにかく完走すること。チャンスがあればポイントを獲得したいです」
カネット、ミル、フェナティのHonda勢3人がフロントローを占める
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コースコンディション:ドライ
Moto3 レポート
Moto3クラスは、初日トップタイムをマークしたアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)が2日目も好調な走りを見せて、今季初のポールポジション(PP)を獲得しました。予選では、フリー走行でマークした自身の3番手タイムを約2秒更新しました。このタイムは、サーキットベストタイムを0.7秒短縮するもので、2番手以下に約1秒のリードを築きました。今年は2戦を終えて開幕戦カタールGPの4位がベストですが、今大会は、今季初優勝に向けて大きく前進しました。
2番手にはホアン・ミル(Leopard Racing)。開幕2連勝と好調なミルだけに、決勝での走りが注目されます。3番手はロマノ・フェナティ(Marinelli Rivacold Snipers)で、開幕戦カタールGP以来となる今季2度目のフロントローを獲得しました。Honda NSF250RWにとって、今季初となるフロントローの独占を達成。開幕からの3戦連続表彰台独占に向けて大きく前進しました。
以下、2戦連続で3位表彰台獲得のホルヘ・マルティン(Del Conca Gresini Moto3)が5番手、チームメートのファビオ・ディ・ジャンアントニオが6番手と続き、2列目を確保しました。2戦連続2位のジョン・マクフィー(British Talent Team)は9番手につけ、3列目グリッドから決勝に挑みます。
ルーキーの佐々木歩夢(SIC Racing Team)は17番手。鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、転倒を喫し18番手。鳥羽海渡(HONDA TEAM ASIA)も転倒を喫し27番手でした。3選手ともに追い上げのレースに挑みます。
Moto3 コメント
アーロン・カネット(Moto3 ポールポジション)
「すごくうれしいです。今日はユーズドタイヤでもとてもいいペースで走れていたので、新品タイヤでのアタックを楽しみにしていました。実際、2分15秒台で始まり、それからも快調で、14秒台に入れることができました。セットアップが正しい方向だったことを感じていますし、とても満足しています。明日は序盤からプッシュしていきます」
ホアン・ミル(Moto3 2番手)
「シーズンの最初からとてもいい状態が続いています。1列目グリッドを獲得できてうれしいです。サーキット・オブ・ジ・アメリカズはあまり得意なサーキットではありませんでしたが、今日は大きく前進できました。でも大事なのは明日です。いいリズムを見つけていいレースをしたいです」
ホルヘ・マルティン(Moto3 5番手)
「マシンはとても快適でした。今週末はかなり順調にセットアップを進めることができました。ほとんどのセッションでスピードがありました。上位のライダーたちと本当に戦えるように、あとコンマ数秒詰めたいです。明日はウォームアップで最後の調整に挑みます。レースではいいスタートを切って最初から前に出たいです」
佐々木歩夢(Moto3 17番手)
「セッション序盤のアタックから調子がよくて、5、6番手につけることができました。最後のアタックでさらにタイムを短縮しようと思ったのですが、最後まで単独走行になってしまい、タイム更新のチャンスを逃しました。単独でも、グループでも、タイムを出さないと、こういうポジションまで下がってしまうということを改めて痛感しました。決勝は大集団になると思いますが、いいスタートを切って追い上げたいです」
鈴木竜生(Moto3 18番手)
「アタックしているときに右高速のダウンヒルの18コーナーで転倒してしまいました。データを見るとフリー走行より5km/h速いスピードで、ちょっと攻め過ぎてしまいました。そこからマシンを押してピットに戻り、かなりダメージを負っていましたが、とりあえず走れる状態にして最後のアタックに挑み、18番手タイムを出すことができました。今回は単独でタイムを出せるようにセットアップを進め、予選ではスリップを使ってタイムを出す作戦でしたが、あまりフィーリングがよくなかったので単独でアタックしました。後方からのスタートですがブレーキのフィーリングはいいので、混戦の中でもいいレースができると思います。できるだけ追い上げたいです」
鳥羽海渡(Moto3 27番手)
「下り左コーナーの11コーナーで路面からタイヤが落ちてしまい、バランスを崩して転倒してしまいました。左手を打撲しましたが、決勝には影響ありません。今日はフリー走行で調子がよくて13番手だっただけに残念です。27番グリッドと後方からのスタートになりますが、カタールGPの経験を活かして追い上げたいです」