キャリコネニュースは4月15日、最低賃金1500円を求める団体「エキタス」が実施したデモの記事を掲載した。配信先のニコニコニュースでは3000件を超えるコメントが集まるなど反響は大きく、賛否両論さまざまな意見が集まった。
反対派「物価が上がるだけでは」「対価に見合う労働ができるのか」と疑問
最低賃金1500円へ反対意見を持つ人たちは、「1500円に見合う労働ができるのか?」「物価が上がるだけなのでは?」など、提供できる労働力との釣り合いや、物価への影響を危惧する声が多かった。
「言いたい事は分かるが、間違いなく言えるのは現実的ではないよね?地域によっても最低賃金も違うんですが、まさか全部同じにしろと?」
「物価が上がるだけ。相対的に貧困であることは結果変わらない」
主催であるエキタスは団体のツイッターで「地方間格差が是正されます。最高の地方創生です」と、全国一律での最低賃金1500円化を求めているが、地方によっては最低賃金が800円前後。1500円は現状のほぼ2倍の金額に相当するため、「高すぎる」と感じた人が多いようだった。
また中には、
「そもそも 仕事能力と実力あったら 派遣とかで自給1800円とか余裕なんですけど 労働に対する対価を自分の価値観で語られてもね」
のように、自らのスキルが足りていないだけではと疑問を持つ人も複数見られた。
「アルバイトだけど、深夜のバイトで日夜逆転した生活してやっとギリ暮らせる感じ」
一方で、主張に賛成する人たちは自らも苦しい生活を強いられており、エキタスの言う1500円という数字にも納得感を示していた。
「都内で最低1500なきゃ一人暮らしツライからなぁ、あがってくれたらいいな」
「大手正規ベア3千円↑に対して、非正規時給10円↑とかがやっとだもんな。同じ仕事してるのにそれじゃ人間的に悲しくなるさ」
正社員と非正規社員の仕事内容にほとんど差が無くても、賃金の差が大きいという問題は各所から指摘されている。同一労働同一賃金の導入で格差を是正できるのではないかという議論もあるが、まだ実行には至っていない。
生活に困りたくない、労働環境をよくしたいという思いは同じ
寄せられた声の中には、鋭い論調で異なる考えを持つ人を攻撃するような表現もあり、コメント欄でユーザー同士が言い争いになるケースも見られた。それだけ議論が白熱した結果とも言えなくはないが、強い表現を使うことで自分の主張に耳を傾けて貰えなくなる可能性も十分にある。そうなれば、議論は発展しないどころか、無用な軋轢を生み出して後退する事態にもなりかねない。
「でも実際最低賃金が1500円にもなったら嬉しいだろお前ら?彼らのデモが馬鹿らしいとは言えないね、俺は」
という声もあるように、生活に困りたくない、労働環境を良くしたいという思いは誰しも共通だろう。不必要な争いをせず、今より少し良い日常を得るために、歩み寄ることはできないものだろうか。