トップへ

勤務先ブラック企業にFAX・メールで改善要求を送れるアプリが登場 「該当管轄省庁に報告する」の一文で企業に圧力

2017年04月21日 18:42  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

ブラック企業は働く人を心身ともに苦しめ、社会的に大きな問題となっている。勤務する会社がブラック企業だとわかっても、誰にも言えず、状況を変えることもできずにいれば苦しさは増すばかりだ。

札幌にある企画会社、ナックルボール合同会社は4月14日、ユーザーの代わりに職場の改善要求ができるアプリ「ブラゼロ」をリリースした。

ユーザーの代わりに「労働環境改善要求書」を勤務先に送付

現在はアンドロイド版のみ、iOS版は審査通過次第にリリースする見込み。「ブラック企業への抑止力」と「ブラック企業の可視化」が実現できるとし、働く人の要望を企業に伝えることで、雇われ方を根本的に変えることを目指すという。

「ブラゼロ」にはGPSに連動したタイムカード機能があり、出退勤時間を記録できる。メモ欄には、その日に受けたパワハラの内容やサービス残業を強いられたといった情報を残しておけるため、後に裁判をした際の証拠になる。

ユーザー登録を行うと、任意で「ブラゼロ」からユーザーの勤務先へファックスかメールで「御社の社員がブラゼロに登録しました」という「ブラゼロ登録者報告書」が送られる。この際、ユーザーの身元が明かされることはない。

有料会員(月額240円)になると、労働条件や環境の改善を求める「労働環境改善要求書」をユーザーの代わりに「ブラゼロ」が勤務先企業に送ることができる。書面には「改善されていない場合には、当サービスから該当管轄省庁に報告する」という趣旨の一文が明記されている。受け取った企業としては、プレッシャーを感じることは間違いないだろう。

「多くの人がユーザーとなり、数で圧力をかけることが近道」

有料会員は、勤務先や転職を検討している企業に勤務する他ユーザーの生の声が書かれた掲示板を見ることができる。「ブラゼロ」を開発したナックルボールとしては、このアプリでブラック企業なくなり、「ブラゼロというサービスが消滅することを願っている」という。同社はリリース内で、

「多くの人がユーザーになり、企業がブラゼロを意識して労働環境をより良くする意識が動くよう、数で圧力をかけることが近道となります」

と思いを綴っている。

あわせて読みたい:残業200時間でもウチはいい会社