ルノーは4月19日、中国・上海で開幕した上海モーターショーで2027年シーズンを戦うF1マシンのコンセプトモデルを発表した。
今回、ルノーが公開したコンセプトモデル『R.S.2027 Vision』は車両重量600kg、最大出力1340馬力を想定しており、F1史上かつてないパワーウエイトレシオを実現している。
駆動方式は四輪駆動で、四輪操舵方式を採用。ドライバーの安全性確保のためにクローズコクピットとなっている。
搭載されているパワーユニットはV型6気筒のダウンサイジングターボエンジンと現行マシンから5倍の数値となる最大出力500kWのERSが組み合わされた。
ルノーはこの数年のうちに市販車に投入される技術が飛躍的な進歩を遂げると想定しているが、2027年もF1がドライバーズレースとして行われていることが重要だとしている。
そのためクローズコクピットには内部が確認できるクリア素材が用いられ、ヘルメットも従来のものより、ドライバーの表情などが確認しやすい形状・材質になるとしている。
空力面ではアクティブウイングなど、可変型のエアロダイナミクスが採用されているほか、LEDによるライティング機構も備える。
安全対策としては、クローズコクピットのほかに、万が一の際に衝撃を軽減するチタン製の“ポップアップ”ロールバーも装備されている。
■F1新フォーマットも提唱。「コンセプトを通じて活気ある議論を」
また、ルノーはF1の新たなレースフォーマットも提唱している。
まず、ファンによるテレメトリーデータへのアクセスを広げ、ファンのレース参加を促すため、フォーミュラEで採用されている『ファンブースト』システムを導入する。
決勝レースも250kmのロングレースと、“ファイナル・スプリント”と称したスプリントの2レース制とするほか、金曜日夕方にはリザーブドライバーや若手育成ドライバーが出場する“フライデー・ルーキー・レース”を開催する。
ルノーF1のマネージングディレクター、シリル・アビテブールは「ルノー・スポールの役割のひとつは、より多くのファンを獲得できるようなF1の未来を予想することだ」と語る。
「今回、我々が紹介したアイデアやコンセプトを通じて、レース関係者やファン、そのほか支援者たちには、インスピレーションを得て、活気ある議論を繰り広げてもらいたい」